不動産売却すると住民税は上がる?[兵庫県伊丹市]
2024/09/04
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは「不動産売却時の住民税」について。不動産売却により利益(譲渡所得)が発生した場合、譲渡所得税が課税されます。
譲渡所得税とは住民税と所得税の合算ですが、計算方法や、納税方法、不動産売却の税金を軽減する特例や控除を理解しておくことで税金負担の軽減へつながります。
この記事では、不動産を売却して翌年に支払う住民税について、以下の内容を解説します。
1:不動産売却の譲渡所得に対して「住民税」と「所得税」がかかる
譲渡所得とは不動産売却による売却益、いわゆる儲けのことです。この儲け分の譲渡所得に対して、翌年の確定申告時に「住民税」と「所得税」が課税されます。
譲渡所得に対する税金は、給与所得に対する所得税や不動産を保有していることで発生する固定資産税などとは異なり、自分で計算して確定申告して納税しなければなりません。
もし譲渡所得の計算を間違ったり、確定申告しなかったりした場合は、以下のリスクが発生します。
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不動産売却して譲渡所得が発生した場合には、住民税と所得税が課税されること、正しく譲渡所得を計算できること、そして軽減する特例や控除を把握することが重要です。
また、譲渡所得でも譲渡損失(利益がマイナス)だとしても確定申告することを忘れてはなりません。損益通算や繰り越し控除を利用して節税できる可能性があるからです。
2:不動産売却の住民税の計算方法
不動産売却の住民税を算出するには、不動産売却の取得費、減価償却費、譲渡費用を確認し、以下の計算式で譲渡所得を計算したうえで、税率を確認しなければなりません。
譲渡所得 = 売却金額 -(取得費 - 減価償却費)- 譲渡費用 |
そして、以下の計算式に当てはめ、住民税を算出します。
住民税額 = 譲渡所得 × 税率 |
譲渡所得の金額によって住民税に大きく増減するため、適切に算出することが大切です。
①不動産売却後に住民税が上がるケースとは?
不動産売却により譲渡所得が発生した場合には、翌年の住民税が上がります。毎年納税している住民税に加えて、譲渡所得に対して課税される住民税が追加されるからです。
ただし、譲渡損失が発生した場合や、控除制度を利用したことで譲渡所得を抑えられた場合、住民税は上がりません。
控除を利用するには、翌年に確定申告が必要で、所得税と住民税を計算して納税する必要があります。控除や特例については別途解説しています。
②不動産売却後の住民税のシミュレーション
不動産売却後の住民税を計算するためには、以下の内容を把握する必要があります。
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住民税の税率は、以下の表の通り「保有」していた年数によって変わります。
《不動産の保有期間(長期・短期)ごとの税率》
所得税 | 住民税 | 合計 | |
保有期間5年以下 | 30.63% | 9% | 39.63% |
保有期間5年超 | 15.315% | 5% | 20.315% |
確認したそれぞれの数字を以下の計算式に当てはめて住民税を算出します。
住民税額 ={不動産の売却金額 -(取得費 - 減価償却費)- 譲渡費用}× 税率 |
たとえば、3,680万円で不動産売却した場合に住民税がいくらになるか、以下の条件でシミュレーションしてみましょう。
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新築で購入した家を15年間保有したので、住民税は5%です。この税率を踏まえて住民税額を計算します。
住民税額 ={3,680万円-(3,000万円-816万円)-129万円}× 5% = 81万2,500円 |
上記の条件で不動産売却した場合の住民税は、81万2,500円となります。
なお、住民税と所得税を合算した「譲渡所得税」を計算する場合には、税率部分を譲渡所得税の税率に入れ替えれば計算できます。
税率は20.315%なので、計算式に当てはめると譲渡所得税は以下の数字で算出されます。
譲渡所得税額={3,680万円-(3,000万円-816万円)-129万円}× 20.315%=330万1,188円 |
住民税の計算と譲渡所得税の計算は、税率が異なるのみで、基本的な計算方法は同じ方法です。
売却で発生する税金を詳しく計算するためには、査定額を知る必要があります。複数社の査定額を比較して、より信頼できる価格を参考に税金を計算してみましょう。
3:不動産売却の住民税を支払うタイミング
不動産売却の譲渡所得により課税された住民税は、売却した翌年に納税します。
そのためには確定申告が必要で、譲渡所得税を自ら計算し納税しなければなりません。また、住民税は所得税とは異なり納税タイミングが異なり、「普通徴収」と「特別徴収」の2種類の方法があります。
①普通徴収で納付する場合
普通徴収とは役所から6月ごろに送られてくる住民税の納付書で、6月、8月、10月、1月の4回に分けて納付する方法です。
振込みや役所の窓口で直接支払い、コンビニ払いやクレジットカード払いなど、自分で納付方法を選べます。
なお、万が一納付を忘れると住民税を滞納することになります。そのまま放置すると督促がきたり、納付できない場合には財産が差し押さえられたりすることもありますので、忘れずに納付しましょう。
②特別徴収で納付する場合
特別徴収は、主に会社員などの給与所得者の納税方法で、毎月の給与から住民税を差引き、翌月10日までに各市区町村に納付する方法です。
普通徴収に比べて毎月の納税になるので、1回あたりの納付額が少なくなります。また、自分自身で納付する必要がないため忘れることもなく、手続きも不要なので手間がかからないメリットがあるでしょう。
注意点は、会社員としての給与所得よりも住民税が上がってしまうので、会社に不動産売却したことを知られてしまう恐れがあることです。もし、会社に不動産売却したことを秘密にしたい場合は、普通徴収をおすすめします。
4:不動産売却の住民税を負担軽減できる控除・特例
不動産売却の住民税負担を軽減するためには、以下の控除や特例を利用します。
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これらを利用するためには条件を満たすとともに確定申告が必要です。
①マイホーム売却にかかる3,000万円特別控除
不動産売却時の3,000万円控除とは、マイホームを売却して譲渡所得が発生した場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる特別控除制度です。
譲渡所得から控除されるため、金額によっては住民税をおさえて住民税に影響が出ないようにすることもできます。
前提としてマイホームを売却することがあり、そのうえで定められた条件を満たす必要があります。
②所有期間10年長の居住用財産を譲渡した際の軽減税率の特例
10年を超えて所有したマイホームを売却した場合、軽減税率が適用されて長期譲渡所得の税率より低い税率で、住民税を計算できる制度です。
通常、長期譲渡所得の住民税の税額は5%ですが、譲渡所得が6,000万円までの部分は4%に引き下げられます。同様に不動産売却の譲渡所得税の税額も引き下げられます。
この特例はマイホーム売却にかかる3,000万円特別控除とも併用可能で、適用のためには条件が設定されています。
③居住用財産の買い換え特例
居住用財産の買換え特例とは、マイホームを売却して新たに購入した場合、売却した家の譲渡所得は新たに購入した家を売却するときまで加算されない特例で、譲渡所得税や住民税の納付を延期できます。
新たに購入した家を売却する予定がなければ、不動産売却による譲渡所得税や住民税は課税されないとも言えるでしょう。
しかし、新たに購入した家を売却し譲渡損益が発生した場合には、先に売却した家の譲渡所得も合わせて不動産売却の税金を計算し納付する必要があります。
④特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例
特定居住財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例とは、住宅ローンが残っているマイホームを売却し譲渡損失が発生した場合には、他の所得と損益通算できる特例です。
給与所得や事業所得と譲渡損失を合算できるため、所得税や住民税を抑える効果があります。
そして、1回の損益通算で譲渡所得を相殺しきれなかった場合には、以降3年間、繰り越して損益通算できます。
⑤居住用財産の買い替えで譲渡損失が発生した際の損益通算及び繰越控除の特例
居住用財産の買い替えで譲渡損失が発生した際の損益通算とは、マイホームの買い替えの際、不動産の売却で譲渡損失が発生したならば、他の所得と損益通算できる特例です。
他の所得と譲渡損失を合算し、所得税や住民税を節税できます。
一回の損益通算で譲渡損失を相殺できなければ、以降3年間、繰り越して損益通算可能です。
マイホームを売却し、新たに購入する必要があり、家や契約内容についても条件を満たす必要があります。
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