不動産売却は消費税の対象?[兵庫県伊丹市]
2024/09/03
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは「不動産売却は消費税の対象かどうか」について。不動産売却時の消費税について、「自分のケースでは消費税は発生する?」「消費税はいくらかかる?」などと疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不動産売却時の消費税について、以下を解説しています。
1:【チャート診断】不動産を売却すると消費税はかかる?
不動産売却の税金対策を考える上で、まずは売却する不動産が消費税の課税対象となるのかを理解しておく必要があります。
不動産を売却する際、消費税がかかるのは、個人事業主もしくは法人の課税事業者であり、個人の不動産売却であれば原則非課税です。
「課税事業者」とは、個人であれば前々年の課税売上合計(事業用建物の売却収入、事務所や店舗、駐車場の賃貸収入など)が1,000万円を超えて、消費税の確定申告を提出する義務のある人を指します。
本来消費税とは、商品の販売やサービスの提供に対して、消費者が会社などの事業者を通じて国に納める税金のことです。
消費税が課税されるかどうかは、消費税法によって定められており、以下の4つの条件に該当していれば課税対象となります。
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個人が居住用で使用していた不動産を売却する場合は、非課税となり消費税はかかりません。
一方で事業者の場合は、上記4つ目の「資産の譲渡」に該当するため、不動産売却時に消費税が課税されます。
2:個人の不動産売却でも消費税の課税対象となるケース
個人の不動産売却でも消費税が課税対象となるケースは、以下の条件に該当する場合です。
・事業においての前々年の課税売上が1,000万円を超えている場合 ・前年の1月31日から6月30日の期間に課税売上が1,000万円超え、かつ給料の支払額合計が1,000万円を超えた場合 |
個人での不動産売却は、基本的に非課税ですが、上記のどちらかに当てはまる場合は「課税事業者」となり、納税義務が発生します。
たとえば、不動産投資などで、前々年の課税売上が1,000万円を超えている場合は課税事業者と判断されるので、注意が必要です。
3:課税事業者が不動産を売却した際に課税対象となるもの
課税事業者が不動産を売却した際に課税対象となるものは、以下のとおりです。
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なお、課税事業者の対象は、「2:個人の不動産売却でも消費税の課税対象となるケース」で解説した条件に当てはまる個人や個人事業主、法人のことを指します。
①建物
不動産を売却する際は、建物部分の売却価格にだけ消費税が発生します。
仮に、土地・建物の売却価格の合計が2,000万円で、建物部分の代金が1,000万円だとすると、建物部分にのみ10%の消費税が課税されるので、消費税は100万円と計算できます。
すなわち、不動産の売却価格の合計が2,000万円であれば、建物代金の1,100万円(税込)を含めた2,100万円が土地・建物を合計した金額となります。
なお、後述しますが、土地の売却代金は消費税がかかりません。なぜなら、土地の売却は、商品やサービスの消費ではなく、資本の移転と判断されるため、消費税には適さないと考えられるためです。
また、自宅や別荘、セカンドハウスなどの居住が目的の売却であれば、課税事業者の条件に該当していても、消費税は非課税となります。
②仲介手数料
不動産会社を通して発生する仲介手数料は、消費税が発生します。
なぜなら、仲介手数料は消費税の課税対象に該当する条件「対価を得て行うものであること」に当てはまるからです。
また、不動産会社に支払う仲介手数料は、宅地建物取引業法により上限額が定められています。
《仲介手数料の上限額》
売買価格 | 仲介手数料 | |
200万円以下の部分 | 売買額 × 5%(+消費税) | |
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売買額 × 4% + 2万円(+消費税) | |
400万円超えの部分 | 売買額 × 3% + 6万円(+消費税) |
たとえば、600万円で不動産を売却したケースでは、仲介手数料の上限額は以下の計算となります。
600 万円 × 3% + 6万円(+消費税)= 26万4,000円 |
大半の不動産会社は、仲介手数料を上限額で設定しています。そのため、上記の計算式を活用することで、実際に近い金額を求められます。
③その他諸費用にかかる消費税
その他諸費用にかかる消費税は、以下のとおりです。
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不動産を売却する際、住宅ローンの支払いが残っている場合は、住宅ローンを繰り上げて返済する必要があります。
金額は、銀行や金融機関によって異なりますが、ネットバンキングであれば無料、窓口やテレビ電話などであれば、1万5千円〜3万3千円程度が相場と言われており、加えて消費税がかかる計算になります。
繰上げ返済手数料は、見落としがちな費用のため、売却前に銀行や金融機関に確認しておくと安心です。
司法書士への依頼報酬とは、不動産売却の手続きに必要となる書類の作成や、手続きを代行してもらうために、売主側が司法書士に支払う報酬のことです。
報酬は、事務所やエリア、業務内容によっても異なりますが、住宅ローンの抵当権抹消費用で1~3万円、登記簿謄本の名義変更で1~2万円が相場です。この報酬に10%の消費税が課税されます。
費用はあくまで目安であり、状況によって変動するため、不動産会社を通して事前に確認しておきましょう。
④土地は非課税となる
土地の売却は、個人であっても、事業者であっても非課税となります。
前述したように、土地の売却は、商品やサービスの消費ではなく、資本の移転と判断されるため、消費税には適さないと考えられるためです。
また、借地権の売却も非課税となります。借地権とは、自分の建物を建てるために、他人の土地を借りる権利のことです。
ただし、土地を車庫や駐車場のように、施設として利用している場合は、課税対象となります。
4:不動産売却時の消費税の計算方法
不動産売却時の消費税の計算方法は、以下のとおりです。
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不動産売却において、原則土地の売却には消費税が発生しないため、建物部分のみの消費税を算出する必要があります。
2つの計算方法を理解して、売却時に活用しましょう。
①建物部分の購入価格から計算する
不動産売却時の消費税を算出するには、土地には消費税が課税されないため、建物部分の購入価格から計算する必要があります。
消費税の計算方法は、以下のとおりです。
《消費税から建物価格を割り出す計算式》
消費税 = 建物部分の売却価格 ÷ 1.1 × 0.1 |
以下の条件を例として、シミュレーションしてみましょう。
不動産売却価格:4,000万円 建物部分:2,500万円 土地部分:1,500万円
消費税 = 2,500万円 ÷ 1.1 × 0.1 = 約227万円 |
消費税は約227万円と算出されました。さらに、227万円を不動産売却価格の4,000万円に足すと、不動産の税込価格は約4,227万円になります。
注意が必要なのは、建物部分にのみ消費税が課税されるということです。不動産売却価格の合計の4,000万円で計算しないように気をつけましょう。
②建物と土地それぞれの価格が不明な場合は評価額を元に計算する
建物と土地、それぞれの価格が不明な場合は、評価額を元に計算する方法もあります。
不動産の売却金額は売買契約書に記載されていますが、建物と土地の金額が明確に区別されていないケースもあります。
どちらの金額も不明瞭な場合は、不動産売却の固定資産税評価額や相続税評価額などを参考に、消費税を算出します。
固定資産税評価額とは、建物や土地を購入したり、維持し続けたりする場合にかかる税金を設定する基準となる金額のことです。
相続税評価額とは、贈与税や相続税を算出する際に基準となる課税価格のことです。
評価額の計算は基本的に不動産会社が行い、金額を提示します。提示された金額の根拠が不明な場合は、遠慮なく担当者に確認しましょう。
不動産売却では、消費税であっても高額なお金が動きます。そのため、細かくチェックしておかないと消費税を払いすぎて損をする可能性があります。提示された金額が合理的に算出されているのか不動産会社に確認することが重要です。
5:不動産売却時の消費税の納付方法
不動産売却時の消費税の納付方法は、以下のとおりです。
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不動産売却の消費税を納付するには、確定申告が必要となります。
個人事業主であれば、翌年の3月31日までに手続きを行い、法人であれば、課税期間の末日から2ヶ月以内に確定申告書の提出と納税を済ませる必要があります。
また、個人であれば前年の消費税の納付額が48万円超え、法人であれば前事業年度の1年間の納付額が48万円超えの場合は、「中間申告」と「中間納付」が必須となります。
中間申告・中間納付とは、1年の途中でその年の税金の一定額を前払いする制度のことです。
中間申告の回数や納付額は、前年の消費税の納税額によって異なります。
詳しくは、以下のとおりです。
直前の課税期間の消費税額 | 中間申告の回数 | 中間納付税額 |
48万円以下の部分 | 原則不要 | 原則不要 |
48万円超え400万円以下 | 年1回 | 直前の課税期間の消費税額の1/2 |
400万円超え4,800万円以下の部分 | 年3回 | 直前の課税期間の消費税額の1/4ずつ |
4,800万円超えの部分 | 年11回 | 直前の課税期間の消費税額の1/12ずつ |
税務署から中間申告の連絡が来ているにもかかわらず対応しなければ、延滞税や加算税などの余計な税金を支払うことになるので、早めに支払いを済ませましょう。
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