買ったばかりの新築マンションを高く売却するには②[兵庫県伊丹市]
2024/07/16
こんにちは、アークエステートです!
本日は前回に引き続き「新築マンションの売却」について。前章の続きとして、新築マンション売却時の税金や特例についてわかりやすく解説していきます。
1:新築マンション売却時の税金と特例
ここ数年、新築マンションは購入した金額よりも高く売れるケースがあります。
不動産は、売却で譲渡所得が発生すると、所得税及び住民税等の税金が発生します。 この章では購入した時よりも高く売れた際の税金対策について解説します。
①譲渡所得と特例の効果
譲渡所得とは、以下の計算式で表される所得です。
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 |
譲渡価額とは売却額です。
取得費とは、土地については購入額、建物については購入額から減価償却費を控除した価額になります。
譲渡費用は、仲介手数料や測量費など、マンションの売却に要した費用です。
譲渡所得がマイナスであれば、税金は発生しません。 今でも、新築マンションの売却では、譲渡所得がマイナスとなることは多いです。
譲渡所得がプラスの場合には、3,000万円特別控除と呼ばれる特例を適用すると、税金を抑えることができます。
譲渡所得 = 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 - 3,000万円 |
ほとんどのケースでは、たった1年程度でマンション価格が3,000万円も価格は上昇しないため、3,000万円特別控除を適用すると税金は発生しないことになります。
尚、3,000万円特別控除を適用するには、以下の要件を満たす居住用財産であることが必要です。
現に居住している家屋やその家屋と共に譲渡する敷地の譲渡の場合 |
ポイントとしては、「現に居住している」という点ですので、新築で一度も居住していない場合には、、3,000万円特別控除は適用できないことになります。
②特例を使ったときの注意点
新築マンションを売却し、買い替えで新しい住宅を購入する人は、3,000万円特別控除の適用には注意が必要です。
新しい購入物件に居住した年とその前後2年間(計5年間)の間に、3,000万円特別控除を使ってしまうと、新しい購入物件で「住宅ローン控除」を利用することができません。
住宅ローン控除と3,000万円特別控除は、選択適用ですのでどちらか一方を使ってしまうと、一方が使えなくなります。
③特別控除を使わないときの税金の計算例
新しい物件で住宅ローン控除を使う場合には、3,000万円特別控除は使わずに、税金を払ってしまった方が得なケースが多いです。
3,000万円特別控除を使わない場合には、求められた譲渡所得に税率をかけ、税金を求めます。
譲渡所得に対する税率は不動産の所有期間によって決まります。 所有期間が5年超の場合は長期譲渡所得、所有期間が5年以下の場合は短期譲渡所得と呼ばれています。
所得の種類 | 所有期間 | 所得税率 | 住民税率 |
短期譲渡所得 | 5年以下 | 30% | 9% |
長期譲渡所得 | 5年超 | 15% | 5% |
その他、復興特別所得税が、所有期間に関わらず所得税に2.1%の税率がかかります。
新築マンションを手放す場合には、所有期間が5年以下であるため、短期譲渡所得の税率が適用されます。
ここで、以下の条件で新築マンションを売却したときに、3,000万円特別控除は使わずに発生する税金を計算してみます。
♦譲渡価額:5,800万円 取得費:5,500万円 譲渡費用:180万円 所有期間:6ヶ月(短期譲渡所得)♦
《税金の計算例》
譲渡所得= 譲渡価額 - 取得費 - 譲渡費用 = 5,800万円 - 5,500万円 - 180万円 = 120万円 所得税= 譲渡所得 × 所得税率 = 120万円 × 30% = 36万円 復興特別所得税= 所得税 × 復興特別所得税率 = 36万円 × 2.1% ≒ 7,500円 住民税= 譲渡所得 × 住民税率 = 120万円 × 9% = 10.8万円 税額合計 = 所得税 + 住民税 + 復興特別所得税= 36万円 + 10.8万円 + 0.75万円 = 47.55万円 |
上記のように、300万円程度の値上がりであれば、50万円弱が税金となります。 つまり、この場合、3,000万円特別控除を利用しても、節税できるのは50万円程度になります。
住宅ローン控除であれば、10年間で最大400万円(長期優良住宅等なら500万円)までの控除が可能ですので、住宅ローン控除の方が節税効果は大きいです。
住宅ローン控除を使う場合には、安易に3,000万円特別控除は使わないように注意しましょう。
まとめ
いかがでしたか? 買ったばかりの新築マンションの売却について見てきました。
ここ数年は、購入時よりも高く売れるケースがありますが、それでも基本的にオーバーローンになりやすい性質には変わりありません。
また売却益が出た場合は、3,000万円特別控除によって節税することは可能です。 次に購入する物件で住宅ローン控除を使う場合には、どちらが得かを検討した上で利用を判断するようにしてください。
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