家族に遺産として不動産を遺す際に気をつけたいこと![兵庫県伊丹市]
2024/07/07
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは「相続した不動産」について。高齢になると、家族にどのようにして財産を遺そうかと考える方も多いでしょう。現金は分配しやすいのですが、土地や建物の場合はどうでしょうか? 子どもがひとりしかいない場合はいいのですが、子どもが複数人いる場合は、土地や建物を平等に分配するのは困難です。仮に何分割かに分けて相続させたとしても、後からトラブルになる可能性があります。分配しにくい不動産を遺産として家族に遺すには知識が必要になるので、この記事が参考になるようわかりやすく解説していきます。
1:家族へどのような負担があるの?
残された家族にどんな負担があるのか、以下で紹介します。
①相続税の負担がある
遺産を相続した場合は、相続税を負担しなければなりません。相続する人が配偶者だったり、未成年の子どもだったりした場合は相続税の優遇措置があります。また、相続人は誰でも「3,000万円+600万円×法定相続人の数」の基礎控除額を遺産総額から差し引くことができます。(※2015年(平成27年)1月1日以降の相続の場合)
とはいえ、土地などはお金に換算すると比較的大きな額になることもあるので、場合によっては相続税の負担が苦しくなることもあります。
② 固定資産税の負担がある
不動産を相続した人には、固定資産税の負担があります。これまで住宅用として利用してきた家と土地の場合は、固定資産税の優遇措置があるのですが、更地の場合は家付きの土地に比べて、固定資産税が高くなります。
③不動産を管理しなければならない
相続した家などの建物を利用することなく放置しておくと、景観が悪くなり、防犯的にも、衛生的にも問題が発生しやすくなります。また、ゴミの不法投棄の場にされる可能性もあります。平成27年(2015年)からは住宅が建っている場合、「空家等対策の推進に関する特別措置法」にて特定空家に認定され勧告を受けると、固定資産税の優遇措置が除外となります。
2:利用する予定のない不動産の最適な対処法
現金を相続すると、相続税を支払うだけで済みますが、不動産の場合は、相続税以外も負担しなければなりません。遺す予定の家や土地を子どもの誰かが利用してくれるのならいいのですが、誰も利用する予定がない場合は、売却を検討するのも一つの方法です。また、現金化したほうが、遺産が分配しやすくなります。
3:生前贈与の家族への負担
生前贈与する場合はどうなるのでしょうか?
婚姻期間が20年以上の配偶者に居住用の不動産を贈与する場合は、2,000万円までは贈与税がかかりません。また、60歳以上の親や祖父母から20歳以上の子や孫へ贈与をする場合、「相続時精算課税制度(※)」を利用して贈与税を軽減する方法もあります。
(※)相続時精算課税制度は、2,500万円までは贈与税の負担がなくなり、超えた分につき20%の贈与税を支払い、相続時に贈与分を加算して精算する制度。 |
とはいえ、通常の贈与の場合、相続税の基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」ですが、贈与税の場合は110万円と、控除額が小さくなります。さらに、相続税よりも贈与税のほうが負担が重くなります。
【相続税の速算表(平成27年1月1日以降)】
法定相続分に応じた取得金額 | 税率 | 控除額 | |
|
10% | ― | |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 | |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 | |
1億円以下 | 30% | 700万円 | |
2億円以下 | 40% |
|
|
3億円以下 | 45% | 2,700万円 | |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 | |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
【贈与税の速算表(平成27年1月1日以降)】※
区分 | 税率 | 控除額 |
200万以下 | 10% | ― |
400万円以下 | 15% | 10万円 |
600万円以下 | 20% | 30万円 |
1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
4,500万円超 | 55% | 640万円 |
※特例贈与財産用(特例税率):祖父母や父母などから、20歳以上の子・孫などへ贈与する場合
遺す家や土地の価格を調べ、相続と贈与のどちらが得なのか試算してみてもよいでしょう。いずれにしても、贈与の場合も遺す相手に負担を与えることになります。もし生前贈与をしたとしても、利用する予定がなければ、固定資産税などの負担が残るので、売却を検討してもよいでしょう。
まとめ
家族に遺産として不動産を遺そうとする場合は、その土地や建物を利用するのか、誰が相続するのか(もしくは誰に贈与するのか)、事前に家族で話し合っておくことが重要です。また、相続させる場合は「遺言書」を作成して、誰に託すのか明記しておくとよいでしょう。
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