住宅ローンを借り換えるメリット・デメリットとは?[兵庫県伊丹市]
2024/09/07
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは「住宅ローンの借り換え」について。住宅ローンの借り換えによって、返済の負担を軽減できる可能性があります。しかし、借り換えを成功させるにはコツがあるほか、景気の動向によってはかえって損をするリスクも否定できません。
この記事では、住宅ローンを借り換えるメリット・デメリット、借り換えを成功させるポイント、金利の動向などについて解説します。
1:住宅ローンにおける「借り換え」の定義とは?
まずは、借り換えの概要について解説します。
①住宅ローンにおける借り換えとは?
借り換えとは、別の住宅ローンを新たに借り入れて、現在の住宅ローン残高を一括返済することです。現在より低い金利の住宅ローンを借り入れることで、返済総額を減らすことが可能です。
一般的に、以下の条件を満たしていると、借り換えのメリットを享受できます。
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上記の条件を満たすと、借り換えで生じる費用より、利息の減少額が上回るケースが多いです。特に、マイナス金利政策が実施される前に住宅ローンを借り入れていた場合は、金利差が生じやすいため、借り換えの恩恵も大きくなるでしょう。
ただし、この条件はあくまでも目安であり、借入条件によってはすべてを満たさなくてもメリットが得られることもあります。
②借り換えとおまとめローンの違い
金融機関側の実務上では、「借り換え」と、おまとめローンの「一本化」に、厳密な分類はないとされています。
ただし、一般的には、住宅ローンの借り換えは、借り入れ先の金融機関1社から別の1社に変更することで、おまとめローンは、複数の金融機関からの借り入れを1社にまとめてることを指すケースが多いでしょう。
例えば、おまとめローンは、A銀行とB銀行から50万円ずつ借り入れをしている場合、新たにC銀行から100万円を借り入れて、A銀行とB銀行のローンをそれぞれ完済し、C銀行に返済先を絞る方法です。利息の負担が減るうえに、返済期日や返済金額を管理しやすくなります。
③借り換えと住み替えローンの違い
借り換えは、住み替えが前提ではなく、現在のローンの負担を軽減するために行ないます。一方、住み替えローンは、住み替えを前提として、現在のローンの残高分と新居の購入資金を一緒に借り入れできるローンのことです。
本来は、現在の住宅ローンを完済して抵当権を抹消しない限り、新たな住宅ローンで借り入れをすることはできません。しかし、住み替えローンの場合は、住宅ローンの残高があっても新たな借り入れが可能です。
したがって、住み替えローンは、今の家から住み替えたいものの資金に余裕がないときや、今の家を売却しても現在のローンを完済できないときに便利といえます。
2:住宅ローンを借り換えるメリット
住宅ローンの返済を負担に感じる方は、借り換えによる具体的なメリットを把握しておきましょう。
①返済総額が低くなる
借り換えは、現在よりも低い金利のローンを借り入れることが基本です。低い金利のローンに借り換えできると、返済総額を減らせるのが最大のメリットです。返済総額が減ると毎月の返済額も減るため、家計に余裕が生まれます。
なお、借り換える金融機関によっては、返済期間を延長して借り入れできるケースもあります。返済期間が長くなると利息の金額は増えますが、毎月の返済額の負担をさらに軽減することが可能です。
②金利タイプの変更で金利上昇に備えられる
住宅ローンを借り換えることで、現在の金利タイプから別の金利タイプに変更できます。
変動金利で借り入れている方で、金利上昇に不安がある場合は、固定金利にすると金利上昇に備えられます。金利を完全に一定にしたいときは、完済まで金利が固定されている「全期間固定金利型」を選ぶことも可能です。
ただし、固定金利は金利変動の影響を受けない反面、ほかの金利タイプよりも、金利が高く設定される点を考慮しなければなりません。
反対に、大きな金利上昇はないと見込んだときは、固定金利から変動金利に変更することも可能です。全期間固定金利型のように、通常は途中で金利タイプを変更できない場合でも、借り換えをすれば、新たな住宅ローンで自由に金利タイプを選択できます。
③団体信用生命保険の保障内容を変更できる
団体信用生命保険(団信)とは、住宅ローンの契約者に万が一のことがあった場合、生命保険会社が金融機関に返済を肩代わりする保険制度のことです。民間の金融機関で住宅ローンを借り入れる際には、団信の加入が条件として設定されていることが一般的です。
団信の加入後は、基本的に保障内容の変更はできませんが、住宅ローンの借り換えで新たに団信に加入する場合は、保障内容を新たに選択することができます。
例えば、ガン団信や介護保障つきの団信など、将来を見据えた保障をプラスすることも可能です。糖尿病や高血圧症になった場合に、住宅ローン残高の全部または一部が保険金として支払われるなど、金融機関によって保障内容は異なります。
ただし、特約の内容によっては、金利が0.1~0.3%程度上乗せされるので注意が必要です。通常の保険と同様に、加入時の年齢や健康状態により、団信に加入できないこともあります。
3:住宅ローンを借り換えるデメリット
住宅ローンを借り換えることで生じるデメリットも、併せて押さえておきましょう。
①金利上昇で返済額が増えるおそれがある
金利を低くするために借り換えをしたとしても、景気の動向により金利が上昇するおそれがあります。
特に、固定金利から変動金利に変更し、予想よりも大幅に金利上昇した場合は、返済総額が増えてしまいます。変動金利の住宅ローンに借り換えたことで、かえって返済総額が増えるのは大きなデメリットといえます。
ただし、将来の金利は正確に予測できず、借り換えの最適なタイミングを見極めるのは難しいのが実情です。
②借り換えの手数料は高額な傾向にある
住宅ローンを借り換えする際には、現在の借り入れ先と新たな借り入れ先で、さまざまな手数料が発生します。借り換えの手数料は、合計で30万~100万円程度かかることが一般的です。
借り換えで発生する手数料の内訳、金額の目安は次のとおりです。
<現在の借り入れ先>
費用の項目 | 概要 | 金額の目安 |
繰り上げ返済手数料 | 現在のローン残高の一括返済にかかる費用 | 数万円 |
抵当権抹消登記費用 | 抵当権を抹消するための費用 |
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<新たな借り入れ先>
費用の項目 | 概要 | 金額の目安 | |
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住宅ローン利用時の手数料 |
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保証料 | 保証会社に支払う手数料 | 借入額×1.0~2.0%程度 | |
印紙税 |
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抵当権設定登記費用 | 新たに抵当権を設定するための費用 |
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手数料などの諸費用の支払いが難しい場合、なるべく手数料が安い金融機関を探すことが大切です。
なお、借り換えで発生する手数料分の金額を、新たな住宅ローンの借入額に上乗せして借り換える方法もあります。借入額が増えるため返済の負担は増えますが、手数料を現金で用意できないときは、利用を検討してもよいでしょう。
③審査や書類の準備などの手間がかかる
そもそも借り換えは、新たに住宅ローンを契約するため、あらためて審査に通る必要があります。現在の職業や転職歴、収入などの条件により、審査に通らないこともあります。また、健康状態によっては、団信に加入できないこともあるので注意が必要です。
審査に通過したとしても、金融機関との契約手続き、抵当権設定や抹消について司法書士と相談する必要があります。
さらに、住宅ローンを借り換えする際は、以下のように多くの書類を用意する必要があります。
書類の 目的 |
必要書類 | 入手先 |
本人 確認 |
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借り換え手続き |
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収入 証明 |
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物件の審査 |
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団信の加入 | 健康診断結果証明書(借入額が5,000万円超の場合) | 保険会社所定の用紙を医療機関に持ち込み記載してもらう |
本人確認書類は役所で取得する必要があるほか、過去に受け取った書類を探さなければならないケースもあるでしょう。書類を集める手間も、借り換えのデメリットに挙げられます。
④住宅ローン控除が適用されないことがある
住宅ローン控除は、マイホームの建築や購入、増改築のために住宅ローンを借り入れる場合に、所得税が一定期間控除される制度です。借り換えは住宅の取得が目的ではないため、原則住宅ローン控除の対象ではありませんが、住宅ローンの返済が目的なら、住宅ローン控除の対象となります。
ただし、借り換え後も住宅ローン控除を受けるには、「住宅ローンの返済が目的だと証明できること」「住宅ローン控除の適用要件を満たしていること」が必要です。
上記2つの要件を満たさないと、住宅ローン控除が適用されず、税金の負担が増えるので注意しましょう。
住宅ローンの返済が目的だと証明する際は、繰り上げ返済の証明や抵当権の抹消が証拠となります。また、返済期間が10年未満の場合は、住宅ローン控除の適用要件を満たしていないため、対象外となります。
なお、住宅ローン控除の適用期間は、入居の時点からカウントされます。借り換えしたからといって、適用期間がリセットされることはありません。
4:現在の住宅ローンと同じ金融機関で借り換えできる?
本章では、同じ金融機関での借り換えの可否や、金利タイプの変更について解説します。
①フラット35は同じ金融機関で借り換えが可能
原則、借り換えは別の金融機関で行なうものであり、同じ金融機関での借り換えはできません。金融機関側としては、金利の条件が良い住宅ローンに借り換えられると、融資額が増えないうえに、金融機関の利益となる利息が減るためです。
しかし、フラット35からフラット35への借り換えについては、可能とする金融機関もあります。
フラット35とは、民間の金融機関と住宅金融支援機構が提携して提供する、全期間固定金利型の住宅ローンです。資金は住宅金融支援機構が出しており、金融機関側は借り換えによるデメリットを回避できます。
金利が高いときにフラット35で借り入れした場合、最新のフラット35に借り換え、または金利が低いフラット20に借り換えすると、返済総額を減らすことが可能です。2010年頃と比べると、フラット35の金利は1/3程度になっており、借り換えの恩恵が受けられます。
②同じ金融機関なら金利タイプの変更を検討する
同じ金融機関のまま金利を低くする方法として、金利タイプの変更があります。金利タイプの変更は、どの金融機関でも可能です。
ただし、全期間固定金利型の場合、契約途中で金利タイプの変更はできません。
金利タイプの変更は、借り換えと比べ、手続きの手間や手数料を抑えられる反面、借り換えよりは金利が低くならないことがあります。借り換えは、複数の金融機関のなかで最も金利が低い住宅ローンを選べるためです。
少しでも金利を下げたい方、手続きの手間を省きたい方は、金利タイプの変更を検討してもよいでしょう。
5:住宅ローンの借り換えに失敗する主な原因と対処法
借り換えは手数料が高いうえに、金利の変動で効果が薄れる可能性もあります。以下の失敗事例を参考に、借り換えするかどうか検討してください。
失敗事例 | 原因 | |
審査に落ちた |
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返済の 負担が増えた |
借り換えの諸費用を考慮していなかった | |
金利の 選択ミス |
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金融機関の 選択ミス |
複数の金融機関で比較検討しなかった | |
団信の 疾病特約が なくなる |
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このような失敗を防ぐには、借り換えで本当に返済総額が減るのかなどを、事前にシミュレーションする必要があります。各金融機関の公式ホームページが提供する、シミュレーターを活用するとよいでしょう。
6:住宅ローンの借り換えを成功させるポイント
住宅ローンの借り換えを成功させるには、以下のポイントを考慮しましょう。
①借り換えで返済総額が減少するかシミュレーションする
借り換えするベストなタイミングは、「現在の住宅ローン借り入れ時より金利が低いとき」と考えがちですが、実際にシミュレーションをしたうえで、返済総額が減少するかを慎重に見極めることが大切です。なぜなら、金利の変動は完璧に予測できないうえに、金利が下がるまで待つことにもリスクがあるためです。
借り換えの時期が遅くなるほど、住宅ローン残高が減少し、返済期間も短くなることで借り換えするメリットが薄れてしまいます。
②複数の金融機関で比較する
借り換えで返済総額が減ることをシミュレーションしたうえで、複数の金融機関を比較検討することが大切です。
金融機関を比較する際は、諸費用を含めたトータルの金額を考慮しましょう。
ただし、実際に借り換えを進めるときは、金利タイプや団信の特約など、細かい部分まで突き詰める必要があります。本格的に借り換えを検討する際は、ファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しましょう。
③転職する前に借り換えする
借り換えの際にも審査があり、転職してから借り入れを申し込むと、審査に落ちる可能性があります。年収や自己資金が十分あったとしても、勤続年数が短いと審査で不利になりやすいためです。
初回の住宅ローンと比べ、借り換えの審査基準は厳しいといわれています。可能な限り、転職する前に借り換えの手続きを完了させることが大切です。
④健康状態を良くしてから借り換えする
住宅ローンを組む際に加入する団信は、健康状態が悪いと審査に落ちる可能性があります。
団信に加入する際に提出する「告知書」では、過去3ヵ月以内の病気治療、過去3年以内の病歴などを申告します。団信の審査に落ちると借り換えはできないため、健康状態の問題はできる限り解消しておくことが大切です。
まとめ
住宅ローンを借り換えることで返済総額を減らせると、毎月の返済が楽になります。しかし、借り換えをするには費用が高額なうえに、金利差や返済期間などの状況で、借り換えのメリットが得られないこともあります。
借り換えをする前に、返済総額が減るかどうかシミュレーションすることが大切です。なお、マイナス金利政策が解除になる可能性もあり、金利上昇に備えて繰り上げ返済の資金を用意しておくと安心です。
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