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不動産の個人売買について[兵庫県伊丹市]

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不動産の個人売買について[兵庫県伊丹市]

不動産の個人売買について[兵庫県伊丹市]

2024/09/02

こんにちは、アークエステートです!

本日のテーマは「不動産の個人売買」について。

 

昨今は個人でもインターネットを通じて物を売ることができるようになりました。
不動産においても、個人売買ができるインターネットサービスが出始めています。

 

一部の取引においては、不動産の個人売買は昔からよく行われているため、決して新しいものではありません。ただし、高額な商品で、かつ、法律知識を要する商品を扱うという点は今も昔も同じであり、インターネットが発達した今でも、個人売買のリスクは依然として存在します。

 

不動産の個人売買を行うには、個人売買に適した物件や取引相手を対象に行うことが原則であり、事前にその特性や注意点を十分に把握することをおススメします。

そこでこの記事では、「不動産の個人売買」について、メリット&デメリット、事前に知っておくべき7つの注意点を解説します。

 

 

1:不動産の個人売買とは

不動産の個人売買とは、一般的には不動産会社の仲介を介さずに売買する取引のことを指します。

不動産の売買は、「個人売買をしてはいけない」という法律はないため、売主と買主が合意をしていれば個人売買をしても法的な問題はありません。

 

ただし、不動産は「取引額が高額であること」と「法律の専門知識を必要とすること」等の理由から、プロの不動産会社を仲介として入れることが一般的です。

 

不動産の仲介は、基本的には「買主を守るため」に存在します。
不動産の中には、例えば「再建築ができない物件」や「建物が建てられない土地」等があります。

このような不動産は利用価値がないため、市場で売買されると二束三文の価値で取引されることが一般的です。

 

しかしながら、個人売買によって法律の知識がない人が購入すると、騙されて高額な代金を支払ってしまうというトラブルもあります。

 

買主をトラブルから守るためには、売買契約の前に不動産会社が買主に対して「この不動産はどのようなものであるか」という説明をすることが必要です。
この買主に対して行う説明が、「重要事項説明」となります。

 

重要事項説明は買主のために行うものであることから、仲介の本来的な意味は買主を守るために存在するということです。
そのため、個人売買は、まず買主側が大きなリスクを負うということになります。

 

一方で、売主側も個人売買のリスクはゼロではありません。
売主も売却後に売主責任を負うことから、自分を守るために一定の法律知識が必要であり、適切なアドバイスをくれる不動産会社に仲介を依頼した方が良いということになります。

 

このように、不動産の個人売買には売主にも買主にも一定のリスクがあることから、問題が生じにくい取引に限定して行うことが適切です。

 

 

2:個人売買のメリット

本章では「個人売買のメリット」について、3点を解説します。

 

  1. 仲介手数料が不要となる
  2. 自分が納得のいくまで売却活動ができる
  3. 知人への売却ならスムーズに話が進む

 

それでは、ひとつずつ見ていきましょう。

 

 

①仲介手数料が不要となる

個人売買のメリットは、仲介手数料が不要となる点です。
仲介手数料が不要となることは、売主も買主も双方にメリットがあることから、買主が決まっている場合には個人売買の合意は得やすいといえます。

 

仲介手数料は、不動産会社が受領できる上限額となることが一般的な相場です。
仲介手数料の上限額は、取引額に応じて下表のように計算されます。

 

取引額 仲介手数料(別途消費税)
200万円以下 取引額 × 5%
200万円超から400万円以下 取引額 × 4% + 2万円
400万円超 取引額 × 3% + 6万円

 

仲介手数料には別途消費税が発生します。
例えば、3,000万円の不動産を売却する場合、400万円超の取引額となるため、仲介手数料は以下のように計算されます。

 

仲介手数料 = 取引額 × 3% + 6万円
      = 3,000万円 × 3% + 6万円
      = 90万円 + 6万円
      = 96万円

 

仲介手数料は、決して安くない費用です。
仲介手数料を削減できる個人売買は、経済的なメリットは大きいといえます。

 

 

②自分が納得のいくまで売却活動ができる

個人売買は、自分が納得のいくまで売却活動ができるという点もメリットです。
例えば、地方の物件ではどの不動産会社に査定を依頼しても、非常に安い価格でしか値段が付かないようなケースがあります。

 

不動産会社の査定価格に納得がいかない場合、個人売買によって自分で自由に価格を設定し、納得のいく形で売却活動を進めるということも選択の一つです。

 

昨今は、「空き家バンク」を設けている自治体も増えています。
空き家バンクとは、自治体が行っている不動産情報サイトのことです。

 

売れるかどうかは別として、自分が設定した価格で空き家バンクに登録し、売却にチャレンジしてみるという方法もあります。

 

 

③知人への売却ならスムーズに話が進む

個人売買は、知人への売却ならスムーズに話が進む点がメリットです。
既に買主が決まっている場合には、わざわざ仲介を通す必要がありません。

 

例えば、「隣地所有者に土地を売る」、「戸建て賃貸の借主に戸建てを売る」といったケースでは、第三者の不動産会社を挟むより直接買主と話し合った方が話は早いです。

 

仲介は、売主にとっては不動産会社に買主を探してもらうことにメリットがあるため、既に買主が決まっているケースでは、仲介を入れるメリットは少ないといえます。

 

 

3:個人売買のデメリット

一方でデメリットもあるので、以下で解説していきます。
個人売買のデメリットは、主に3点です。

 

  1. 適正価格の設定が難しい
  2. 法律の知識が必要となる
  3. イレギュラーな内容に対応しにくい

 

それではひとつずつ見ていきましょう。

 

 

①適正価格の設定が難しい

個人売買は、適正価格の設定が難しいという点がデメリットです。
個人売買では査定を行わずに自分で価格を決めて売り出すことが多いため、安く値付けをして損したり、高く値付けをしてなかなか売れなかったりするようなことが起こります。

 

損をせず、かつ、確実に売るには、安過ぎず高過ぎない適正な価格で売り出すことが必要です。

昨今では、地方の売れない土地を隣地所有者に頼み込んで売るようなケースも散見されます。

 

このようなケースでは、お願いして買ってもらうというスタンスで売っていることから、極めて安い金額で売却していることも多いです。

個人売買では、結果的に相場よりも安く取引されるケースが多いため、損をしたくないのであれば仲介を利用することをおススメします。

 

 

②法律の知識が必要となる

個人売買を安全に行うには、売主にも買主にも法律の知識が必要となる点がデメリットです。

 

特に売主に必要な知識は「契約不適合責任」と呼ばれる売主責任があります。
契約不適合責任とは、「契約の内容に適合しない場合の売主の責任」のことです。

 

売主は契約内容とは異なるものを売却すると、売却後に買い主から追完請求(主に修補請求)や代金減額請求、契約解除、損害賠償といった責任を追及される可能性があります。

 

契約不適合責任は、2020年4月の民法改正によりできた新しい売主責任です。
従来、瑕疵(かし)担保責任という売主責任がありましたが、瑕疵担保責任と契約不適合責任は同じものではありません。

 

契約不適合責任は瑕疵担保責任よりも売主が追及される責任の範囲が広がったため、売主は十分にリスクを理解して取引する必要があります。

契約不適合責任は新しい制度であることから、不動産会社が仲介に入る取引においても慎重に対応がなされている状況です。

 

具体的には、売主が不要な契約不適合責任を負わないようにするために、2020年4月以降の売買契約書には免責事項がビッシリと記載されているようになっています。

2020年4月に行われた民法改正は、国際社会にならって当事者の取り決めを記載した売買契約書が重要になった改正です。

 

日本の不動産の売買契約書は、他国のものと比べて薄っぺらいという指摘がありましたが、今後の売買契約書は欧米並みに厚くなっていく見込みとなっています。

売買契約書の作成自体が難しくなってきていますので、法律知識を伴わない当事者が行う個人売買のリスクは高まっているといえます。

 

 

③イレギュラーな内容に対応しにくい

個人売買は、レギュラーな内容に対応しにくいという点もデメリットです。

例えば、「隣地との境界が確定していない」、「地下に隣地からの排水管が通っている」、「建物の検査済証がない」等の問題が生じている場合、そのまま売買すると後からトラブルになるケースがあります。

 

不動産会社が仲介に入る取引では、物件に関する問題は重要事項説明によって買主に説明されます。

買主は問題を了解した上で購入するため、基本的には後でトラブルになるリスクを抑えることができます。

 

イレギュラーな問題を抱えている物件では、不動産会社が売り方をアドバイスしてくれることが通常です。

不動産会社はアドバイザーの役割も果たしてくれるため、相談できる人がいない個人売買は取引リスクが高くなってしまいます。

 

 

4:個人売買の流れ

個人売買は当事者同士で自由に行う取引であるため、特に決まった流れはありません。
ここでは、一般的に考えられる個人売買の流れについて解説します。

 

(1)相場調査

個人売買では、最初に相場調査を行います。
結果的に相場通りに売れないことも多いと思われますが、買主へ価格を打診する目安として、ある程度相場を把握しておくことは必要です。

 

(2)価格の設定

相場を把握したら、売り出し価格を設定し、売却活動を始めます。
早く売りたい場合や、隣地所有者等に頼み込んで売りたい場合には、相場よりも安く価格を設定することが通常です。

 

また、中小企業の場合、会社と代表者や、関連会社との間で不動産を取引するようなことも多いです。

会社と代表者尾の間や関連会社間で売買する場合には、適正な時価で取引しないと脱税の疑いがかかる恐れがあります。

 

このような取引をする場合には、あらかじめ不動産鑑定士による鑑定評価を取得し、時価に基づいて取引することが必要です。

 

 

(3)買主の探索

買主が決まっていない場合には、自分で売却活動を開始します。
買主の探索方法としては、例えば空き家バンクに登録するといった方法もあります。

 

また、個人売買では、あらかじめ買主が決まっているケースも多いです。
買主が決まっている場合には、買主と価格も含めて条件交渉を行います。

 

(4)買主との条件交渉

買主とは、売買価格や引渡時期等の条件を協議して整えます。
契約不適合責任を回避する場合には、あらかじめその旨を買主と応諾しておくことも必要です。

 

(5)売買契約書の作成

買主との条件が整ったら、売買契約書を作成します。
売買契約書は、土地用や戸建て用、マンション用等で書式が異なるため、自分の物件に適した売買契約書の雛形を探し出して利用することがポイントです。

 

また、契約不適合責任を免責したい場合には、特約事項に免責事項を漏れなく記載する必要があります。

 

(6)売買契約の締結

売買契約書が完成したら、いよいよ売買契約を締結します。
仲介による売買では、売買契約日と引渡日を別日にすることが通常です。
ただし、個人売買の場合は特にルールがないため、売買契約日と引渡日を同日にするといった方法でも構いません。

 

売買契約日と引渡日を別日にする場合には、期間が空いてしまうため、契約を証拠立てる意味でも買主から手付金を受領しておくことが安全です。

 

(7)引渡・所有権移転登記

引渡では、買主が売買代金の支払いを行います。
売主は所有権移転登記に必要な資料を買主に引渡します。

 

自分たちで所有権移転登記を行いたい場合には、引渡日当日にその足で法務局に出向き、共同で所有権移転登記の手続きを行うことが適切です。

 

司法書士に依頼せずに所有権移転登記を行う場合に、あらかじめ法務局に所有権移転の手続き方法や必要書類を確認しておくことがポイントとなります。

登記手続きだけは司法書士に依頼する場合には、引渡日当日に司法書士に立ち会ってもらうことが一般的です。

 

 

5:不動産個人売買の注意点

メリット・デメリットを踏まえた上で、「個人売買をしたい」と考える方に向け、以下では「個人売買の7つの注意点」を解説していきます。

 

  1. 物件と買主を個人売買に適したものに限定する
  2. 相場を良く調べる
  3. 司法書士が必要となる場合もある
  4. 物件に適した契約書を使用する必要がある
  5. 事業用不動産は領収書に印紙が必要となる
  6. 事業用不動産は消費税を計算する必要がある
  7. 買主が住宅ローンを組めないときもある

 

 

①物件と買主を個人売買に適したものに限定する

個人売買を行う場合は、物件と買主を個人売買に適したものに限定することが注意点です。
個人売買は、一部の取引に関しては昔から普通に行われているため、従来からよく行われている取引に限定すれば、大きな問題はないといえます。

 

従来から問題なく行われている個人売買の取引例としては、以下のようなものがあります。

 

(買主が物件を熟知しているケース)

  • 隣地所有者に隣地を売る取引
  • 借地権者に底地(地主の所有権のこと)を売る取引
  • 区分賃貸マンションや戸建て賃貸を賃貸中の借主に売る取引

(買主が敵対的な要求をしてこないケース)

  • 親族間あるいは親しい間柄で行う取引
  • 関連会社間もしくは代表者と法人との間で取引

 

買主の立場からすると、隣地所有者が隣地を買う場合や、借地権者が底地を買う場合、賃貸中の物件を買う場合等は、買主が良く知っている物件を購入することになります。

場合によっては売主よりも物件のことを熟知していることもあり、このような取引では買主が不測の損害を被るリスクは低いです。

 

よって、買主が十分に物件を熟知しているようなケースでは、個人売買でも大きな問題は生まれにくいといえます。

 

また、親族や関連会社間、代表者と法人間との間の取引等に関しては、売却後に買主が敵対的な要求をしてくるリスクは低いです。

仮に、売買契約書に不備があったとしても、契約不適合責任を問われるリスクは少ないことから、個人売買でも対応できます。

 

 

②相場を良く調べる

個人売買を行う場合には、売却価格の参考とするために、相場を良く調べておく必要があります。
相場については、国土交通省の不動産情報ライブラリを使うことによってある程度調べることが可能です。

 

少し使いにくいかもしれませんが、土地総合情報システムなら、土地(更地)や戸建て、マンション、農地、林地の価格を調べることが可能です。

 

 

③司法書士が必要となる場合もある

個人売買でも、抵当権の抹消登記を伴う売買の場合には、司法書士が必要となる場合もあります。
抵当権とは、債権者(銀行)がその抵当物件から優先的に弁済を受けることができる権利のことです。

 

抵当権を抹消するには、銀行が保有している抵当権抹消書類が必要となります。
通常の売買では、銀行の担当者も引渡に同席し、無事にローンが一括返済したことを確認した上で抵当権抹消書類を引渡します。

 

抵当権抹消を伴う売買では、銀行が売主に司法書士は依頼することを要求してくることが多いです。

そのため、抵当権抹消を伴う売買では、あらかじめ銀行と抵当権抹消の手続きについて相談しておく必要があります。

 

 

④物件に適した契約書を使用する必要がある

個人売買を行う場合、物件に適した契約書を使用する必要がある点が注意点です。
不動産の売買契約書には、例えば以下のような種類があります。

 

【売買契約書の種類】

  • 更地の売買契約書(実測売買用)
  • 更地の売買契約書(公簿売買用)
  • 土地建物の売買契約書(土地は実測売買ヴァージョン)
  • 土地建物の売買契約書(土地は公簿売買ヴァージョン)
  • 区分所有建物(マンション)の売買契約書(土地の権利が所有権)
  • 区分所有建物(マンション)の売買契約書(土地の権利が所有権以外)
  • 普通借地権の借地権付建物の売買契約書
  • 定期借地権の借地権付建物の売買契約書

 

売買する物件と異なる種類の売買契約書を用いてしまうと、不要なことが書いてあったり、必要なことが書いていなかったりすることがあります。

売買契約書の不備を生む原因となるため、対象物件に応じた売買契約書を探し出すことが必要です。

 

 

⑤事業用不動産は領収書に印紙が必要となる

個人が売主の場合でも、アパートや貸店舗、オフィスビル、賃貸マンション等の事業用不動産を売る場合には、営業行為に該当するため領収書に印紙は貼ることが必要です。

 

一方で、マイホームやセカンドハウス等の居住用不動産を売却する場合には、営業行為には該当しないため、領収書に印紙は不要です。

セカンドハウスとは別荘以外の家屋で、「週末に居住するため郊外等に取得するもの」や「遠距離通勤者が平日に居住するために職場の近くに取得するもの」を指します。

 

 

⑥事業用不動産は消費税を計算する必要がある

個人が売主の場合でも、アパートや貸店舗、オフィスビル、賃貸マンション等の事業用不動産を売る場合には、建物に消費税が発生します。
事業用不動産を売却する場合でも、土地には消費税は生じません。

 

そのため、消費税を計算するには、土地価格と建物価格を分ける必要があります。
総額で取引をする場合には、固定資産税評価額を利用して土地と建物の価格を案分することが一般的です。

 

 

⑦買主が住宅ローンを組めないときもある

個人売買では、買主が住宅ローンを組めないときもある点が注意点となります。
理由としては、買主が住宅ローンの審査を受ける際、通常、不動産会社が発行する重要事項説明書が必要書類となるからです。

 

重要事項説明書には、建物を建てることができる物件か、再建築可能な物件か、適法な物件であるかどうか等の情報が記載されています。
銀行は、これらの情報を元に融資適格物件かどうかの判断を行います。

 

重要事項説明書がない個人売買では、銀行が融資適格物件かどうかを判断する材料がありません。
そのため、場合によっては買主が住宅ローンを組めず、売買できないこともあります。

 

 

まとめ

不動産の個人売買とは、不動産会社による仲介を通さずに行う売買のことです。

個人売買には、「仲介手数料が不要となる」や「知人への売却ならスムーズに話が進む」等のメリットがある一方で、「適正価格の設定が難しい」や「法律の知識が必要となる」等のデメリットもあります。

また、注意点としては、「物件と買主を個人売買に適したものに限定する」や「物件に適した契約書を使用する必要がある」といった点がありますので、個人売買が不安な場合には信頼できる仲介の不動産会社に依頼しましょう。

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