不動産査定・4つの方法[兵庫県伊丹市]
2024/09/01
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは「不動産査定」について。不動産を売却する際、「査定にはどのような方法があるのか」が気になることもあると思います。
査定方法を理解すれば、査定価格をあげるために自分ができることが何なのか、見えてきますよね。
この記事では、「査定にはどのような方法があるのか」「査定価格はどのように決まるのか」について、解説していきます。
1:不動産査定とは?
不動産売却が初めてな方の中には、「そもそも査定とは何?」と思っていらっしゃる方がおいでかもしれません。
不動産査定とは、一般的には売却前に不動産会社に依頼する無料査定のことを指します。
不動産査定で算出される価格は、3ヶ月程度の販売期間をかけることで売却できると予想される価格です。
売却の前に行う不動産査定は、不動産会社の営業行為の一環で行うものであるため、無料で対応してくれます。
建築会社の見積もりのような行為であり、見積もりだけなら無料と同じで、査定だけなら無料です。
また、見積もりが高ければ建築会社への依頼を断っても大丈夫なように、査定価格に納得いかなければ不動産会社への売却の仲介の依頼を断っても大丈夫です。
断っても費用は請求されないことになります。
尚、不動産会社による査定は無料ですが、売却以外の目的では利用できないことになっています。
売却以外の目的で価格を知りたい場合には、不動産鑑定士による鑑定評価を利用しましょう。
2:売却前に依頼する「机上査定」と「訪問査定」の違いとは?
以下では、売却前に依頼する不動産会社の無料査定について、解説していきます。
無料査定には以下の2種類があります。
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それぞれがどういったものなのか、ひとつずつ見ていきましょう。
①机上査定
机上査定とは、不動産会社の営業担当者が物件を見ずに、机上で行う査定のことです。
登記簿謄本や住宅地図、周辺の取引事例等の外部から入手できる資料に基づき査定を行います。
営業担当者が行う査定となるため、シミュレーターのように100%コンピューターだけで行う査定よりは精度は高いです。
ただし、机上査定は実際に物件を確認しないため、訪問査定より価格精度は劣ります。
極端にいえば、取り壊し直後の不動産の場合、住宅地図や謄本にも建物が残っているため、売主から取り壊した事実を告げられない限り、建物価格まで査定してしまうのが机上査定です。
机上査定を利用するシーンとしては、例えば近い将来、売却したいと考えているけれども、とりあえずいくらで売れそうか知りたいといったケースで利用します。
②訪問査定
訪問査定とは、不動産会社の営業担当者が物件を実際に確認して行う査定のことです。
不動産は、日照や眺望、通風、騒音、振動、臭気等、実際に物件を見てみないとわからない部分があります。
また、周辺環境も実際に最寄駅から歩いたときの雰囲気や、嫌悪施設の有無等も現地を見ないと気付かないことが多いです。
訪問査定は、実際に見ないとわからない部分を価格に反映できるため、最も精度の高い査定になります。
不動産を売却するには、精度が一番高い訪問査定を依頼するのが通常です。
精度の高い査定価格を把握しないと、適切な売り出し価格を設定できなくなります。
売り出し価格は安過ぎれば損をしますし、高過ぎればなかなか売れないといったことが起こります。
損をせず、確実に売却するには、精度の高い訪問査定に基づき適切な売り出し価格を決定すべきなのです。
そのため、売却することが決まったら、訪問査定は必ず依頼します。
尚、訪問査定は複数の不動産会社に依頼して査定結果を比較し、高く売ってくれる会社を探すことが一般的です。
工事で複数の建築会社から相見積もりを取って最も金額の安い会社に依頼することと同様に、売却も複数の不動産会社に査定を依頼して最も高い金額で売ってくれる会社に依頼することになります。
査定は売却予想価格であることから、売却を絶対的に保証するものではなく、査定する会社の一つの意見価格です。
予想や意見は会社が違えば異なることから、査定価格も不動産会社が違えば異なってきます。
高く売れると考えている会社は査定価格が高いですし、安くしか売れないと考えている会社は査定価格が安いです。
複数の不動産会社の査定結果を比較することは、高く売るための売主として最低限必要な努力となります。
3:訪問査定の流れ
訪問査定の流れは以下の通りです。
(1)必要書類を準備する
査定を依頼する際は、最初に必要書類を準備します。
(2)査定を申し込む
書類の準備ができたら早速に査定を申し込みます。
査定依頼で重要な点は、マンションならマンション売却が得意な会社、戸建てなら戸建て売却が得意な会社に依頼すべきという点です。
しかしながら、通常はどの会社がマンション売却を得意とし、どの会社が戸建て売却を得意としているのか、判別することは難しいといえます。
(3)訪問の日時を決める
査定を依頼した後は、訪問査定の日時を決定します。
不動産会社からアポイントメントの電話がかかってきますので、都合の良い日を回答し、日程調整を行います。
(4)訪問査定の実施
訪問査定の実施日が来たら、訪問査定を受けます。
訪問査定では必要な資料を渡し、いくつかヒアリングを受けることが一般的です。
訪問査定では、本人確認が行われます。
本人確認は、次章で解説する「権利証(登記済証)または登記識別情報通知書」を提示することで行います。
戸建てや土地であれば、以下のような点がヒアリングされることが多いです。
(土地部分)
(建物部分)
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また、マンションであれば、以下のような点がヒアリングされます。
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尚、査定価格は掃除や片付けの有無によって変わることはないので、査定前に必死になって掃除を行う必要はありません。
また、戸建てを取り壊すべきかどうか迷っている人は、とりあえず取り壊す前に査定を依頼することをおススメします。
不動産会社が取り壊さなくても売れると判断すれば、そのまま売った方が取り壊し費用を負担しなくても済みます。
同様に、リフォームすべきか迷っている人も、リフォームする前に査定を依頼して先に不動産会社の意見を聞くことをおススメします。
査定は何社に依頼しても無料ですので、幅広いアドバイスをもらうためにも、複数社に依頼すると良いでしょう。
(5)査定結果を受領する
訪問査定が終わったら、査定結果を受領します。
査定結果は、早ければ即日で提出してくる会社もあります。
役所調査が必要となるような特殊な不動産の場合には、結果が出るまで1週間程度かかることもあります。
(6)不動産会社を決める
査定結果が出そろったら、不動産会社を決定します。
不動産会社は必ずしも査定価格だけで決める必要はありません。
営業担当者の人柄等も重視して不動産会社を決めることがポイントです。
不動産の売却では、査定結果がA社は4,400万円、B社は4,300万円のような場合、B社に売却を依頼しても結果的に4,500万円で売れるようなこともあります。
査定価格はあくまでも予想価格であるため、予想を裏切って高く売れることもありえます。
「感じの良い営業担当者」は買主からも信頼と好感を得やすく、高く売れることも多いので、人柄も重視して選ぶこともおススメします。
(7)訪問査定に必要な資料
訪問査定を受ける際、必要になる書類があります。
後からの提出でも大丈夫な場合もありますが、先に準備しておく方が安心です。
訪問査定に必要な資料は、以下のような書類です。
物件の種類 | 必要書類 |
全ての物件共通 | 権利証(登記済証)または登記識別情報通知書 |
土地および戸建て | 土地の確定測量図 |
戸建て | 間取り図 建物の確認申請書・確認済証・検査済証 |
マンション | 分譲時のパンフレット |
権利証(登記済証)または登記識別情報通知書は本人確認のために必要な資料です。
所有者本人しか持っていない書類であることから、真の所有者であることを示すことができます。
権利証は平成17年(2005年)3月7日より改正不動産登記法が施行されたことで登記識別情報通知書に切り替わっており、権利証(登記済証)と登記識別情報通知書は実質的に同じ書類です。
土地の確定測量図は、全ての境界が確定しているときに存在する実測図になります。
土地や戸建ての売却では、買主が全ての境界が確定していることを購入の条件とすることが多いです。
土地の確定測量図があれば、すぐに売却できる状態であるといえるため、不動産会社は査定時に確定測量図の有無を確認することが一般的となっています。
戸建ての間取り図や、マンションの分譲時のパンフレットはチラシやインターネット広告で間取り図を載せるために必要です。
また、戸建ての売却では売却時に不動産会社は買主に対して行う重要事項説明で書類の保管状況について説明することになっています。
重要事項説明では、確認申請書や確認済証、検査済証の保管状況を説明することから、査定時にこれらの書類の有無を確認されることも多いです。
5:不動産査定方法の4種類
先ほど「机上査定」と「訪問査定」という2つの査定方法を紹介しましたが、本章では「価格をどう出すのか」という視点での不動産査定方法について、以下の4点を解説します。
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それではひとつずつ見ていきましょう。
①取引事例比較法
取引事例比較法とは、不動産の「市場性」に着目した査定方法のことです。
条件が類似した過去の取引事例を参考にしながら不動産価格を求めていく手法になります。
単純にいうと、隣の土地が最近坪200万円で売れていたから、対象地も坪200万円というような値付けをするのが取引事例比較法です。
取引事例比較法は、できるだけ規範性の高い事例を集めることが最大のポイントとなります。
規範性の高い取引事例とは、「取引時点が可能な限り直近であること」や「駅からの距離や地型、面積、公法上の規制等の条件が似ていること」、「売り急ぎや買い進み等の特殊な事情がないこと」といった条件を満たして事例になります。
売り進みとは焦って安く売ったと思われる事例で、買い進みとは焦って高く買ったと思われる事例のことです。
戸建てや土地の場合、地元の不動産会社は独自に規範性の高い事例を入手しており、遠方の不動産会社よりも適正な査定ができる可能性が高くなります。
地元の不動産会社は遠方の不動産と比べると情報量が異なりますので、査定の依頼先としては外せない存在です。
②原価法
原価法とは、不動産の「費用性」に着目した査定方法のことです。
「この建物を今建てたらいくらか」というコストアプローチによって査定する方法になります。
原価法は、主に建物に対して適用されます。
原価法では、最初に今の相場の建築費で新築したらいくらになるかを出し、そこから減価修正という方法を行って現在の価値を算出する手法です。
減価修正の方法には、「耐用年数に基づく方法」と「観察原価法」の2種類があります。
耐用年数に基づく方法とは、築年数に応じて機械的に算式を使って価格を下げる方法です。
一方で、観察原価法とは、「見た目」を重視して価格を下げる方法となります。
建物の価格は必ずしも築年数に応じて一律に下がっていくものではなく、管理の状況や設備の機能性、デザイン等の状態によって価値が変わることが通常です。
観察原価法は、査定する営業担当者の経験や勘に基づき、価値を算定していく手法となります。
③収益還元法
収益還元法とは、不動産の「収益性」に着目した査定方法のことです。
主に、アパートや賃貸マンション、オフィスビル、貸し店舗、戸建て賃貸等の収益物件の価格を求める際に利用されます。
投資家には、収益物件に対して期待する利回りの相場が存在します。
例えば、立地の良い場所の新築物件なら5%、郊外の築古物件なら10%は確保したいといった利回り感です。
収益物件は賃料を生み出しているため、その賃料を利回りで割ることで価格を算出することが可能です。
④開発法
開発法とは、不動産の「投資採算性」に着目した査定方法のことです。
主に、戸建て分譲用地やマンション分譲用地といった広い土地に適用される手法になります。
大きな土地は、個人が直接購入するケースは少なく、不動産ディベロッパーが購入することが多いです。
不動産ディベロッパーは、戸建て分譲やマンション分譲を行うための用地として土地を購入します。
不動産ディベロッパーにとっては、土地の購入は「仕入れ」に該当するため、予想される販売の売上高から建築費等を差し引き、利益を確保できる価格が購入可能な仕入れ額となります。
開発法は、不動産ディベロッパーの目線に立ち、不動産ディベロッパーが買うと予想される価格を算出する手法です。
6:マンションの査定方法と価格の決まり方
マンションの査定方法は、取引事例比較法によって価格が決まります。
取引事例比較法は、規範性の高い取引事例を収集することが重要となりますが、マンションの場合、同じマンション内の他の部屋の取引事例が規範性の高い事例に該当します。
不動産会社は、レインズと呼ばれる不動産会社しか見ることのできないデータベースにより、同じマンション内の他の部屋の成約事例を見ることが可能です。
成約事例とは実際に取引が決まった事例であり、成約事例では実際に取引された成約価格も知ることができます。
不動産会社は、レインズで成約事例を確認することで、概ね価格の目途を付けます。
価格の目途を付けた後は、対象マンションの個性を鑑みて成約事例との価格の差を付けます。
例えば、マンションはバルコニーの向きが重要で、価値の高い順から南、東、西、北の順番になります。
階数も高いほど価値は高くなり、中間部屋よりも角部屋の方が価値は高いです。
対象物件は成約事例とは必ず個性が異なるため、個性を反映した上で価格を調整していきます。
また、事例は必ず過去のものであることから、価格が上昇傾向にあるときは事例よりも価格を上げ、下落傾向にあるときは事例よりも価格を下げるといった調整を行います。
マンションは規範性の高い事例を集めやすいことから、各社の査定価格の精度は相応に高いです。
7:土地の査定方法と価格の決まり方
土地の査定方法は、一般的な戸建て用地であれば取引事例比較法、広い土地であれば開発法を用います。
ここでは一般的な戸建て用地を想定して取引事例比較法を解説します。
土地はマンションとは異なり、規範性の高い取引事例を集めることは難しいです。
都合よく最近隣の土地が売買されたというケースは稀であり、少し範囲を広げて過去1年くらいに取引された事例を集めていきます。
公法上の規制や駅からの距離、形状、前面道路の幅員、面積等の条件ができるだけ近い事例を集めたら、各条件を比較しながら価格を算出することが基本的な流れです。
土地の取引事例は不動産会社によって比較対象とする事例も異なることが多く、査定結果もマンションよりばらつく傾向はあります。
査定の難易度もマンションよりも高いため、不動産会社に高い経験値が求められます。
8:戸建ての査定方法と価格の決まり方
戸建ては土地については取引事例比較法、建物については原価法によって価格を求めます。
建物の価格は、今の建築費の相場を元に一旦新築の価格を出し、そこから減価修正を行っていくことが通常です。
戸建ての価格は、築25年で価値をゼロ円と査定することが多いですが、特に築25年で必ずゼロ円にしなければならないというルールはなく、建物の価格の見方は不動産会社によって異なります。
また、減価修正も観察原価法のさじ加減は不動産会社の経験と勘によっても異なるため、建物の査定価格は不動産会社によってばらつく傾向があります。
戸建ての場合、土地価格でばらつき、建物価格にもばらつきがあるため、査定価格が不動産会社によって大きく差が付くことが多い傾向です。
また、戸建ての査定では、単に土地価格と建物価格を合算するだけでなく、総額を調整するという特徴もあります。
例えば、中古の戸建てで7,000万円以上の値段を付けると途端に需要が減るような地域では、7,000万円が意識され、7,000万円を下回る水準で査定されることも多いです。
戸建ての査定は、マンションや土地と比べると最も難しく、実際に売りに出してみると当てが外れることもよくあります。
結果的に大きく値引きしないと売れないこともあるため、特に高い査定価格には期待し過ぎないことも必要な心構えです。
まとめ
不動産査定の方法について、解説してきました。
不動産会社による不動産査定とは、売却を目的とした人向けに3ヶ月程度で売れると予想される価格を算出することです。
売却前に依頼する不動産査定には、「机上査定」と「訪問査定」の2種類がありますが、精度を求める場合には「訪問査定」が必須です。
また、できるだけ高く売却するための査定なら、お持ちの物件の売却に強い不動産会社を見つけることが近道となります。
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