リバースモーゲージとは?[兵庫県伊丹市]
2024/07/26
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは「リバースモーゲージ」について。
「リバースモーゲージ」とは、自宅を担保に生活資金を借り入れることができるローン商品で、高齢者世帯を中心に利用されています。この記事では、リバースモーゲージの概要やメリット・デメリット、向いている方の特徴などについて解説します。
1:リバースモーゲージとは?
リバースモーゲージとは、自宅を担保にして生活資金を借り入れるローン商品のことです。日本語に直訳すると、リバースは「逆」を、モーゲージは「抵当(権)」を意味します。
リバースモーゲージを利用した場合、融資を受けながら自宅に住み続けることが可能です。契約者が亡くなったタイミングで元本の返済を行なうので、高齢者向けのローン商品として近年注目を集めています。
①住宅ローンとリバースモーゲージの違い
住宅ローンは、これから土地や建物といった不動産を購入する方を対象にしますが、リバースモーゲージは「すでに不動産を所有している方」が対象になります。
一般的な住宅ローンは、購入した不動産を担保にまとまった資金を借り入れて、毎月少しずつ元本と利息を返済します。そのため、年月が経つほど借入残高も減少していく仕組みです。
一方、リバースモーゲージは、もともと所有していた不動産を担保にして、定期的もしくは一括で資金を借り入れ、契約者が亡くなってからまとめて返済します。年月が経っても基本的に借入残高は減少せず、逆に増える可能性もある点が大きな違いです。
また、リバースモーゲージは契約者が生きている間、毎月の返済は利息分のみとされるのが一般的です。元本の返済方法については、担保にした自宅を売却するか、あるいは相続人が自己資金を使って一括返済するか選択できます。
②リバースモーゲージの種類
リバースモーゲージには、大きく分けて「公的機関が提供するタイプ」と「金融機関が提供するタイプ」の2種類があります。
前者は、都道府県の社会福祉協議会などが取り扱っており、正式名称は「不動産担保型生活資金」です。低所得で生活苦に陥っている高齢者を救済する、いわゆるセーフティネットに該当します。
営利目的ではないため、金利面の負担を抑えやすい傾向にありますが、融資条件や資金用途が厳しく設定されています。あくまで生活困窮者向けの救済制度なので、誰でも利用できるものではありません。
一方、後者は銀行や信用金庫といった民間金融機関が取り扱っています。金融機関によって、商品の名称や金利、融資に関するルールが異なります。
こちらは前者より融資条件が緩いうえ、資金用途もそれほど厳しく制限されていないため、比較的利用しやすい点が特徴です。ただし、金利は高めに設定されているので、返済の負担は大きくなります。
▼2種類のリバースモーゲージの特徴はこちら▼
公的機関が提供するタイプ | 金融機関が提供するタイプ | |
対象世帯 | 原則65歳以上、所得が一定以下(市町村民税非課税世帯または均等割課税世帯程度の低所得世帯に該当) | 金融機関による(55歳以上や60歳以上など) |
対象物件 | 土地評価額が1,500万円以上(融資額によっては1,000万円以上)の戸建てのみ | 戸建て・マンションどちらも可 |
金利 | 「3%」または「長期プライムレート(現在は1%程度)」の低いほうを適用 | 3~5%程度 |
地域 | どの地域でも可 | 首都圏・大都市圏がメイン |
融資限度額 | 土地評価額の70% | 金融機関による(利息を都度支払う場合、不動産担保評価額の50~65%程度) |
資金用途 | 生活資金に限定 | 旅行や教育に充てても可 |
保証人 | 要 | 不要 |
③リバースモーゲージの資金用途
主な資金用途としては、以下のようなものが挙げられます。
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資金用途の制限は提供元の機関ごとに異なるので、契約前にしっかり確認しておきましょう。
2:リバースモーゲージのメリット
リバースモーゲージには、以下のようなメリットがあります。
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①自宅に住み続けながら生活資金を調達できる
リバースモーゲージは自宅を担保にしますが、利用にあたって引越しや住み替えの必要はありません。契約者が生きている限り、自宅の所有権が移ってしまうこともないので、今までどおり自宅に住み続けながら、日々の生活資金を調達できます。
高齢者は「室内での事故や孤独死が起こりやすい」「連帯保証人を立てにくい」といった理由から、十分な資金があっても賃貸物件を借りにくい傾向にあります。そのため、住み慣れた自宅を手放すのは高リスクといえます。
リバースモーゲージは自宅を手放す必要がないため、老後の住まいに関する不安を解消できるでしょう。
②高齢者でも融資を受けやすい
高齢者の多くは定年退職を迎えていたり、仕事を続けても非正規(パート・契約社員など)で雇われていたりするため、若い頃より収入が少なくなりがちです。
金融機関としては、貸し付けた資金を回収できない「貸し倒れ」のリスクが高いので、一般的なローン商品だと、高齢者は融資を受けにくい傾向にあります。
一方、リバースモーゲージはそもそも高齢者向けの商品です。提供元の機関によって条件は異なりますが、おおむね80歳くらいまで融資を受けられます。
③家計への負担が少ない
一般的なリバースモーゲージの場合、毎月の返済は金利に応じた利息分の支払いのみです。あるいは契約者が亡くなったあと、元本と利息を一括返済するケースもあります。
いずれにせよ住宅ローンなどに比べて毎月の返済額が少ないため、家計への負担を軽減できます。高齢者は収入が少なくなりやすいため、月々の支出を抑えられるのは大きなメリットといえるでしょう。
④資金用途の自由度が高い
リバースモーゲージのなかでも金融機関が提供するタイプは、「豊かな老後の実現」を目指して提供されているので、公的機関のものに比べると資金用途が幅広く、さまざまな目的で利用できます。
老後の生活資金に充てることはもちろん、趣味や旅行などのレジャーに使ったり、自宅のリフォーム資金として使ったりしても問題ありません。自分がやりたいこと、叶えたいことにお金を費やせるので、より充実したセカンドライフを楽しめるでしょう。
⑤配偶者に契約を引き継げる
リバースモーゲージは、契約者が亡くなった場合、配偶者に契約を引き継げるケースが多い点もメリットです。配偶者は自宅にそのまま居住できるので、家を失うリスクもなくなります。
契約の引き継ぎを行なった場合、元本の返済タイミングは配偶者が亡くなったあとになるため、急に家計が苦しくなることもありません。
⑥資金の減少を防げる
自宅を担保にして生活資金を借り入れる性質上、預貯金や退職金からの支出を抑えることができます。急な病気やトラブルへの備えとして、まとまった金額を確保しておけるため、精神的な安心につながります。
「手もとのお金はできる限り残しておきたい」「ゆとりを持ってセカンドライフを謳歌したい」という方にとって、このメリットは見逃せません。
3:リバースモーゲージのデメリット
リバースモーゲージにはメリットが多い一方、以下のようなデメリットもあります。
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①長生きによってリスクが生じる
長生きすればするほど、多くの生活資金が必要になるため、リバースモーゲージだけに頼っていると、将来的に資金不足に陥ってしまうかもしれません。
リバースモーゲージは無制限で融資を受けられるわけではなく、あらかじめ融資限度額が定められています。融資額が融資限度額に達すると、もう借り入れはできなくなるため、本来なら喜ばしい長生きが大きな懸念材料になるのです。
また、提供元の機関や商品のプラン内容によっては、あらかじめ契約期間が定められています。契約期間を超えて長生きした場合、期間終了とともに一括返済の義務が生じますが、それを高齢者だけで対応することは年齢的に考えても難しいでしょう。
一括返済ができない場合、自宅は競売にかけられることになるので、70~80代になってから家を失うリスクも否定できません。さらに、自宅の売却代金で借入額を完済できず、借金だけが残ってしまう可能性もあります。
②評価額の下落リスクがある
リバースモーゲージでは、担保となる不動産の評価額が一定期間ごとに見直されます。自宅の評価額が下落すれば、融資限度額も下がってしまうため、当初の計画どおりに融資を受けられないかもしれません。
また、融資限度額が下がったタイミングで、すでにそれ以上の資金を借り入れていると、差額の一括返済を求められる可能性もあります。評価額の下落リスクは予測が難しいため、あらかじめ注意が必要です。
③金利上昇リスクがある
2023年(令和5年)4月から、みずほ銀行が国内で初めてリバースモーゲージに固定金利を導入しましたが、リバースモーゲージの大半は、市場金利に応じて金利が上下する変動金利を導入しています。
金利が上昇すると支払う利息も増えるので、結果的に返済の負担が大きくなってしまいます。金利が大幅に上がった場合は、家計が圧迫される可能性もあるでしょう。
金利の上昇は予測しづらいため、ゆとりを持った返済計画を立てるべきです。
④法定相続人の同意が求められる
リバースモーゲージの契約者が亡くなって自宅を売却しても、その売却代金が借入残高に満たなかった場合は、法定相続人(家族)が不足分の返済義務を負います。
また、契約者と法定相続人が同居していて契約者が亡くなった場合、法定相続人が手もとの自己資金で一括返済しない限り、住む家を失うことになります。
したがって、リバースモーゲージの契約締結にあたって、法定相続人全員の同意が必要なケースもあります。トラブルを未然に防ぐためにも、前もって家族とよく相談しておきましょう。
⑤不動産や地域によっては契約できない
基本的に、リバースモーゲージでの不動産評価額は建物が建てられた土地をベースに決められるため、戸建てのみを対象とする商品が多いです。そのため、マンションは担保と認められず、契約自体を断られてしまうこともあります。
また、不動産の所在地が定められているケースもあります。特に金融機関が提供するタイプのリバースモーゲージでは、首都圏や近畿地方の一部のみに対象地域を絞っているケースが多いため、事前に確認しましょう。
4:リバースモーゲージが向いている方は?
リバースモーゲージが向いているのは、次のような条件に当てはまる方です。
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①老後も安心して暮らしたい方
資産価値が高い不動産を所有しているものの、「貯金が少なく、年金だけだと老後が不安」という方もいます。
そこで、リバースモーゲージを利用すれば、まとまった資金を確保できるため、入院や介護のリスクに備えることができます。「老後も安心して暮らしたい」と考えるのであれば、検討する価値はあるといえるでしょう。
②自宅の相続人がいない方
配偶者や子どもといった法定相続人がいない、あるいは家族に自宅を遺す必要がない場合、リバースモーゲージを利用すれば、セカンドライフの充実につながります。
また、自宅の後始末についても考える必要がなくなるので、悩みや心配事も減るでしょう。
③老人ホームへの入居を考えている方
「子どもに迷惑をかけたくない」という思いから、将来的に老人ホームへの入居を希望する方も多いのではないでしょうか。しかし、老人ホームの入居費用は高額で、家族に大きな負担がかかる場合もあります。
リバースモーゲージを利用すれば、自宅を所有しながら資金を工面できます。また、老人ホームへ入居したあとも、必要に応じて自宅に帰宅できるので、慣れ親しんだ場所で家族や友人と過ごせます。
5:リバースモーゲージ型住宅ローンとは?
リバースモーゲージ型住宅ローンとは、リバースモーゲージの仕組みを取り入れた住宅ローンのことです。所有している不動産を担保に、自宅の建設、購入、リフォームの費用を借り入れることができます。
通常のリバースモーゲージと同じく、毎月の返済は利息分のみです。元本の返済義務についても同様で、契約者が亡くなったあとに発生します。ただし、用途は住宅関連に限られ、生活資金や旅行資金など、ほかの目的では使えません。
①リバースモーゲージ型住宅ローンの種類
リバースモーゲージ型住宅ローンには、「リコース型」と「ノンリコース型」の2種類があります。
リコース型では、担保不動産の売却代金で借入額を完済できなかった場合、相続人が不足分を返済する必要があります。
一方、ノンリコース型は同様の事態に陥っても、相続人に不足分の返済義務が生じないため、残された家族に負担がかかることはありません。ただし、金利はリコース型よりも高く設定されるのが一般的です。
②リバースモーゲージ型住宅ローンのメリット・デメリット
リバースモーゲージ型住宅ローンの最大のメリットは、一般的な住宅ローンより年齢制限が緩く、高齢者でも融資を受けやすい、という点にあります。毎月の返済額が少ないため、定年退職後や年金暮らしの方でも、安心して自宅の購入やリフォームができるでしょう。
さらに、ノンリコース型を選択すれば、担保不動産の評価額が下落し、不動産の売却代金で借入額を全額返済できなかったとしても、相続人に債務は残りません。
一方で、金利上昇リスクがあること、法定相続人の同意が必要なことについては、デメリットとして押さえておきましょう。また、長生きをすればするほど利息の総支払額が増える点にも注意しましょう。
③住宅ローンからの借り換えも可能
一般的な住宅ローンから、リバースモーゲージ型住宅ローンに借り換えることも可能です。借り換えによって毎月の返済額を減らしたり、余剰資金をほかの目的で使ったりできるようになります。
金融機関によっては50歳から申し込める商品もあるため、早いタイミングで老後の準備を進めやすいのも嬉しいポイントです。
まとめ
リバースモーゲージとは、自宅を担保に生活資金を借り入れるローン商品のことです。提供元の機関にもよりますが、収入が少ない高齢者の方でも契約しやすいうえ、さまざまな用途に活用できます。
ただし、長生きや金利上昇によるリスクがある、法定相続人の同意が必要といった点に注意しなければなりません。リバースモーゲージから派生したリバースモーゲージ型住宅ローンという商品もあるため、状況や目的に合わせて検討しましょう。
場合によっては、リバースモーゲージより売却を選択したほうが、より大きな資金が手に入る可能性もあるため、まずは一度査定を試してみるのがおすすめです。
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