【不動産】随意契約とは?[兵庫県伊丹市]
2024/07/24
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは「随意契約」について。随意契約とは、公共事業における契約方式の一種で、公的機関(国や地方自治体など)が工事や備品調達の発注をかける際に、競争入札ではなく、任意で選んだ相手と直接契約を締結することを指します。この記事では、随意契約の種類や、一般競争入札・指名競争入札との違い、メリット・デメリット、契約締結の流れなどについて解説します。
1:随意契約とは?
随意契約とは、公共事業における契約方式の一種です。公的機関(国や地方自治体など)が工事や備品調達の発注をかける際に、競争入札ではなく「任意で決定した相手と直接契約を締結すること」を指します。
公共事業の発注先は、原則として2社以上の競争入札を行なったうえで決定しますが、法令の規定に基づき随意契約が認められた場合、特定の1社を選んで契約できます。ただし、随意契約を締結できる状況でも、可能なら2社以上から見積もりをとって選定することが望ましいとされています。
なお、発注先として選ばれるのは、過去に1回以上取引を行なった企業が大半です。
①随意契約の要件
随意契約を締結するには、以下の要件を満たす必要があります。
1:売買・貸借・請負・その他の契約において、予定価格が一定額を 超えていない(オープンカウンター方式) 2:契約の内容(性質または目的)が競争入札にそぐわない 3:特定の施設等から物品を購入する、あるいは役務の提供を受ける 契約を結ぶ 4:ベンチャー企業から新商品を購入する、あるいは新しい役務の提 供を受ける契約を結ぶ 5:緊急の必要(災害時など)により、競争入札が適当ではないと認 められる 6:競争入札を実施することが公共事業に不利と認められる 7:相場に比べて著しく有利な価格で契約を締結できる見込みがある 8:競争入札を実施しても入礼者がいない、あるいは再度の入札を実 施しても落札者がいない 9:競争入札の落札者が契約を締結しない |
なお、公的機関によって細かい要件は異なるため、事前に資料やホームページなどで確認しておくことが大切です。
②一般競争入札・指名競争入札との違い
公共事業には随意契約のほか、一般競争入札・指名競争入札という契約方式もあります。
一般競争入札とは、2社以上にそれぞれ事業プランや予算を提示させたうえで、最も条件が良い企業を選んで契約を締結することです。公共事業において、最も人気が高い契約方式となっています。
最大の特徴は、入札参加条件をクリアすれば、規模、資本金、設立年数、実績などを問わず、どのような企業でも参加できることです。公平性や透明性に優れている一方で、競争が激しく選定に時間がかかりやすいという難点もあります。
指名競争入札とは、公的機関があらかじめ特定の企業を2社以上を指名し、そこから最も条件が良い企業を選んで契約を締結することです。指名に至るまでの基準は、それぞれ独自に設定されており、その段階で参加できない企業が現れる可能性もあります。
指名競争入札の場合、公的機関は実績に基づいて指名できる参加企業を絞れるため、トラブルが起きにくいという特徴があります。また、指名された企業は落札できる可能性が高く、長期的な取引を続けることも期待できます。
一方、指名というプロセスを挟む性質上、公平性を担保しづらいことが難点です。場合によっては、不正取引や談合を疑われる可能性もあります。
2:随意契約の種類
随意契約には大きく分けて、以下の4種類があります。
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①特命随意契約
特命随意契約とは、【発注側(公的機関)の都合によって特定の企業を指定する契約】です。一般的に随意契約と呼ばれるものは、この方式を指します。
特命随意契約を締結するタイミングは、競争入札が適当ではないとき、あるいは緊急性が高いときです。例えば、地震や台風で大きな被害が発生した場合などが当てはまります。
手続きがシンプルかつスピーディーに進みますが、公平性の担保が難しいという側面もあります。
②少額随意契約
少額随意契約とは、【公共事業の予定価格が低い場合、簡易的に発注先を選ぶ契約】です。2社以上から見積もりを取ったうえで、適切な発注先を決めます。
こちらも選定作業や事務作業をスピーディーに進めることができ、なおかつ2社以上が参画するため、特命随意契約より公平性に優れている点も強みです。
ただし、法令によると少額随意契約が認められるケースでも、なるべく競争入札を行なうことが求められています。
③不落随意契約
不落随意契約とは、【競争入札で入札希望者がいない場合、あるいは落札者が契約を結ばなかった場合、最も良い条件を提示した企業と交わす契約】です。
例えば、複数回にわたって競争入札を実施しても入札者が決まらなかったとき、事前に設定していた価格・条件で契約します。予定価格は変更できませんが、他の条件は変えることが可能です。
④プロポーザル方式
プロポーザル方式(企画競争入札)とは、【参画を希望する企業が特定のテーマに基づく企画提案書を提出し、その内容をもとに発注先を決める契約方式】のことです。コンペ方式と似ていますが、提案そのものではなく提案を出した企業の技術や専門性などが評価・選定されます。なお、コンペとはコンペティションの略称で、コンペ方式とは最も優れた「設計案」を選ぶ方式です。
プロポーザル方式は高度な技術もしくは専門的な知識が求められる際に用いるもので、選定された企業は優先交渉権を得ることができます。
ただし、各社がプレゼンテーションをする必要があるため、準備に手間がかかるのが難点です。
3:随意契約のメリット・デメリット
随意契約の受注側(企業)は、以下のようなメリットを享受できます。
《メリット》
・発注先に選ばれると、確実に契約を締結できる ・競争入札を行なわず、契約を締結するまでの期間が短い ・不毛な価格競争に巻き込まれない ・競争入札の参加条件を満たせない企業も契約できる場合も |
一方で、以下のようなデメリットもあるので、あらかじめ注意しましょう。
《デメリット》
・通常の入札で実績を積み重ねていない場合、発注先に選ばれるのは 難しい ・公平性や透明性に欠けるため、思わぬ誤解を招く可能性がある ・不正取引・談合・癒着・収賄などを疑われる可能性がある |
4:随意契約を締結するまでの流れ
公的機関と随意契約を締結する際は、基本的に以下のような流れで手続きを進めます。
❶公的機関から見積もりの依頼を受ける
特定の1社を選ぶ随意契約の場合、見積書をメールやFAXで提出するよう依頼があります。オープンカウンター方式の場合、公的機関の調達ポータルなどで案件をチェックし、見積もりの概要を確認してください。
❷見積書を作成・提出する
依頼や調達ポータルを通じて入手した仕様書に基づき、見積書を作成します。提出期限は約1~3週間であるため、早めに準備しましょう。
❸発注側が見積合わせを行なう
公的機関が各企業から提出された見積書を突き合わせ、発注先を選定します。見積書の内容に不備があると、その時点で候補から外れるため、要注意です。
❹契約締結の手続きを行なう
発注先が決まったら、契約書や請負書を作成して契約を締結します。
まとめ
随意契約とは、公的機関が公共事業に関する発注をかける際、任意に決めた企業と直接契約することです。競争入札と比べて各種手続きがスピーディーに進みやすいうえ、選ばれた企業は確実に契約を結べるというメリットがあります。
一方、過去の取引実績がないと選ばれる可能性は低い、公平性や透明性に乏しく不正を疑われやすいといったデメリットもあります。
また、随意契約と一口にいっても種類が多く、各契約方式の特徴や注意点についても押さえておきましょう。
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