仮換地とは?権利関係や税金、売却について[兵庫県伊丹市]
2024/07/11
こんにちは、アークエステートです!
今回のテーマは「仮換地」について。道路や公共施設などを整備するために行なわれる土地区画整理事業では、地権者に「仮換地」を提供することで現在の土地から立ち退いてもらうケースがあります。そこでこの記事では、仮換地の概要や権利関係、各種税金への影響などについて解説していきます。
1:仮換地(かりかんち)とは?
仮換地(かりかんち)とは、土地区画整理法に基づく「土地区画整理事業」の換地処分に先立って、地権者に仮の土地を割り当てる行為、あるいは仮の土地そのものを指す言葉です。
土地区画整理事業は、都道府県・市区町村もしくは地権者が主体となる土地区画整理組合が施行者となって行なわれるのが一般的ですが、事業の進行を妨げる位置に土地が存在するケースがあります。このような土地には、居住用の建物が建てられていることが多く、区画整理を行なう際には、居住者の生活に配慮したうえで区画整理を進めなければなりません。
事業の都合上、地権者に従前地(現在の土地)からどうしても立ち退いてもらう必要がある場合、代わりに使用・収益できる土地として仮換地を提供します。
なお、仮換地は区画整理で新しく造成する換地予定地です。区画整理の工事が一通り終わったら、原則として換地予定地が正式に割り当てられます。つまり、「仮換地=一時的に与えられる仮の土地ではない」点に注意しましょう。
①土地区画整理事業の流れ
土地区画整理事業の内容は、施行者によって異なります。施行者が自治体もしくは土地整理組合の場合の基本的な流れは、以下のとおり。
①原案の作成・調査 る測量・地質調査などを行なったりしたうえで、土地区画整理事業 の原案を作成します。 ②都市計画の決定 都市計画の内容を公開したり、公聴会を開いたりしたうえで、地権 者や住民から意見書を受け付ける必要があります。なお、この手順 は組合施行なら任意です。 ③事業計画の作成 します。事業計画の内容は地権者などに公開し、意見書を受け付け る必要があります。 ④換地設計 画整理後の土地の位置・形状などを設計案にまとめ、地権者に発表 します。 ⑤仮換地の指定 ⑥建築物の移転・除却 知します。地権者から協力を得られず、期日までに移転・除却が行 なわれなかった場合、施行者が直接移転・除却することが可能で す。 ⑦換地処分 です。換地計画の内容も地権者などに公開し、意見書を受け付ける 必要があります。 ⑧登記 ⑨清算 て清算します。 |
②仮換地の目的
従前地(現在の土地)から新しい土地(換地)へ権利関係を移すには、換地処分とそれに伴う登記・清算の手続きが必要不可欠です。
換地処分は原則として「土地区画整理事業が完了した時点」で実施します。しかし、当該事業の工事が終わるまでには長期間を要し、事業開始からすべての処理・手続きが完了するまで10年以上かかるケースも少なくありません。
それゆえ、工事が完了した地区から仮換地を順次定め、地権者が使用・収益できるように手配するケースは数多く見受けられます。つまり、仮換地は地権者の生活を守るための措置といえるでしょう。
仮換地はそのまま本換地になるため、仮換地に建物を建てることも可能です。自分が住むためのマイホームはもちろん、不動産投資に使う賃貸住宅も建築できます。
③保留地との違い
仮換地とよく混同されやすいものとして「保留地」があります。保留地は区画整理で新たに生み出された区域のうち、換地として割り当てられなかった土地のことです。
土地区画整理事業は地権者が従前地の一部を提供する「減歩(げんぶ)」という形で行なわれており、新たに割り当てられる換地は従前地よりも面積が狭くなるのが一般的です。その際に減少した面積の割合を「減歩率」と呼びます。
減歩には道路や公園のための用地を確保するほか、先述した保留地を取得する目的もあります。施行者は保留地を売却して区画整理事業で使う資金を賄っているため、地権者からは清算金以外の金銭を受け取ることはありません。
2:仮換地の権利関係はどうなる?
前提として、土地には持ち主であることを示す「所有権」と、一定の目的のために土地を使用できる「使用収益権」という2つの権利があります。
土地区画整理事業を進めている期間中、換地処分が終わるまで所有権は仮換地ではなく従前地(現在の土地)にあります。つまり、地権者は割り当てられた仮換地を所有しているわけではないということです。
ただし、使用収益権は区画整理事業が開始されると従前地から仮換地へ移行します。そのため、仮換地の所有権を持っていなくても建物を建てられるようになるのです。
本記事では「仮換地」の概要について解説させて頂きました。次回の記事では仮換地の税金関連と注意事項について紹介させて頂きます!
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伊丹市で土地の再開発を実施
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