物上保証人とは?連帯保証人との違いは?[兵庫県伊丹市]
2024/07/09
こんにちは、アークエステートです!
本日のテーマは不動産用語で聞く「物上保証人」について。そもそも物上保証人とは、自身の財産を担保として金融機関などに提供し他人の債務を保証する方のことです。以下の記事では、物上保証人の概要や連帯保証人との違い、物上保証人が必要となる場面などについて詳しく解説していきます。
1:物上保証人とは?
「物上保証人(ぶつじょうほしょうにん)」とは、自身の財産を担保として金融機関などに提供し、他人の債務を保証する方のことを指します。物上保証人は、担保提供者と呼ばれることもあります。
物上保証人は普通の保証人とは異なり、債務者の債務をすべて弁済する義務はありません。提供した財産の範囲で返済を行なうのが特徴です。
ただし、物上保証人になった場合、担保として提供した不動産などに関しては、弁済の際に抵当権が実行されて財産を失う場合もあるため注意が必要です。そのような事態を回避するには、債務者の残債を肩代わりしたうえで、抵当権を抹消しなければなりません。
①物上保証人を設定する目的
お金を借りる債務者側としては、物上保証人を設定することで、スムーズに融資を受けられるようになります。
債務者は、住宅ローンを組むために住宅や土地を担保として提供しますが、資産の価値が足りない場合もあります。そのような際に、物上保証人を設定して担保を追加することで、債務者は融資を受けることが可能になるのです。
一方、お金を貸す側である金融機関としては、債務者からの返済が滞るリスクに備えて、あらかじめ物上保証人を設定すれば、貸し倒れのリスクを軽減することが可能です。
2:物上保証人と連帯保証人の違い
物上保証人と似た言葉として挙げられるのが連帯保証人です。連帯保証人とは、債務者が借りた借金の返済について債務者と同等の責任を負う方のことを指します。
連帯保証人と物上保証人の最大の違いは、ローン全体の責任を負うかどうか、という点にあります。
連帯保証人は、債務者と同じ立場であるとみなされます。そのため、債務者がローンを返済できなくなった場合、債権者は連帯保証人に対して、債務者が返済できなかった残りの借金全額の返済を請求することが可能です。
一方の物上保証人は、残った借金のすべてを弁済する責任はなく、担保として提供した財産の範囲で弁済を行ないます。万が一、債務者の返済が滞った場合、担保として金融機関に提供していた自分の財産を手放すか、被担保債権(担保の元になった債権)を返済して、抵当権を抹消しなければなりません。
3:物上保証人になれるのは誰?
物上保証人は、誰でもなれるわけではありません。物上保証人として設定できるのは、一般的に身内のみです。ただし、金融機関によって物上保証人の対象範囲は異なるため、事前の確認が必要です。
いずれにしても、まったくの第三者が物上保証人になるケースはほぼないため、第三者からお願いされた場合には十分に注意しましょう。
では、具体的にどのような方が物上保証人になれるのかを紹介します。
《両親》
債権者の両親は通常、物上保証人になることが可能です。例えば、子どもが両親の所有している土地に家を建てる場合、両親が物上保証人になるのが一般的です。
なお、義理の両親(配偶者の両親)に関しても、金融機関によっては物上保証人として認められることもあります。
《配偶者》
債権者の配偶者も、物上保証人になることが可能です。
ただし、結婚と同時に家を購入する場合には注意が必要です。婚約者の状態でも物上保証人になれる場合もありますが、融資を行なう段階で入籍していないと物上保証人として認められないなど、金融機関によってルールが異なります。また、ローンを組んだあと婚約破棄や離婚となった場合にも、物上保証人としての責任を放棄することはできないため、注意が必要です。
《子ども》
債務者の子どもも、物上保証人になることが可能です。
例えば、両親が高齢であるため物上保証人にするのは難しいと判断した場合などに、子どもを物上保証人にするケースがあります。
ただし、子どもが未成年の場合、たとえ働いていて収入があったとしても、物上保証人としては認められないこともあります。もし子どもを物上保証人にしたい場合は、金融機関に相談しましょう。
《兄弟や姉妹》
兄弟や姉妹を物上保証人に設定することもあります。
例えば、兄弟姉妹が同居をする場合や、兄弟姉妹が事業を始める場合などには、一方が債務者、もう一方が物上保証人となるケースも見られます。
《パートナー》
金融機関によっては、パートナーを物上保証人として認めているところもあります。
ただし、パートナーを物上保証人にするためには、パートナーであることを証明するための書類を用意し金融機関に提出しなければなりません。具体的には「任意後見契約に関わる公正証書」や「合意契約に関わる公正証書」などが挙げられます。
もしパートナーを物上保証人にしたい場合には、必要書類や手続きなどについて、ローンを組む予定の金融機関に問い合わせるようにしましょう。
《祖父母》
一般的に債務者の祖父母も、物上保証人になることが可能です。
ただし、義理の祖父母(配偶者の祖父母)の場合は、認められないケースもあります。詳細については、金融機関に確認するようにしましょう。
《不動産の共有名義人》
1つの不動産を誰かと共有している場合、物上保証人に共有名義人を設定することがあります。
金融機関としては、債務者が返済できなくなるリスクに備え、不動産全体に抵当権を付け担保にするのが理想です。そのため、共有不動産の名義人全員を物上保証人にし、不動産全体に抵当権を付けることがあります。
本日はここまでで「物上保証人」の概要や、誰がなれるのかなど基本的な部分についてお話させて頂きました。次章では、さらに物上保証人がどんなケースで必要なのかや注意点についてお話したいと思います!
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